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2016.12.05

役員報酬は短期前払費用に該当するのか?

※2016年4月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

 

日本中央税理士法人の見田村元宣です。

確定申告が終わりましたが、皆さんの事務所では

「取得費が不明な譲渡所得」の申告はありませんでしたか?

父親等が購入した売買契約書の所在は不明であり、

取得費が不明である場合は多々あります。

では、こういう場合に概算取得費の5%を使うしかないかというと、

そんなことはありません。

5%よりも実額に違い金額を取得費として採用することが可能なのです。

この考え方が示された【裁決1つ】、【判決1つ】を

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さて、今回は「役員報酬は短期前払費用に該当するのか?」ですが、

平成15年2月20日の裁決をご紹介します。

この事案は下記状況となっていました。

〇請求人は下記役員報酬につき、短期前払費用として、それぞれ

平成8年5月1日から平成9年4月30日までの事業年度(以下「平成9年

4月期」という。)、平成10年4月期、平成11年4月期、平成12年

4月期の損金の額に算入した。

・9年4月役員報酬の合計金額25,750,800円

・10年5月役員報酬の合計金額25,750,800円、

・11年4月役員報酬の合計金額26,110,800円

・12年4月役員報酬の合計金額26,110,800円

〇請求人は上記の各金額を、それぞれ平成9年4月25日、平成10年

4月25日、平成11年4月25日、平成12年4月25日に、社会保険料等

として控除する金額を差し引いた残額の12分の1を額面金額とする12枚の

約束手形を振り出して支給した。

当然、このような損金が認められる訳がないのですが、国税不服審判所は

下記と判断しました。

〇本件各役員報酬は請求人の業務を執行したことに対する対価として、

(中略)支払われるものであって、このような人件費は、企業が営利活動を

行う上で必要なものであり、企業活動の根幹に係る行為に対する対価である

ことからすると、会計科目としての重要性を有するといえる。

〇請求人の本件各事業年度の申告所得金額に対する人件費(請求人が決算書に

記載している「給与」金額をいい、以下同じ。)の割合は、おおむね

314.3ないし853.2%、売上金額に対する人件費の割合は、おおむね

52.5ないし56.3%で、本件各事業年度に係る人件費のうちに本件

各役員報酬等の金額が占める割合も、おおむね31.0ないし40.7%と、

高率かつ可変的であり、金額的にみても重要性を有するといえる。

〇そうすると、本件各役員報酬等は、時の経過に応じて自動的、合理的に

費用化されるような重要性の乏しい費用とは本質的にその性質を異にする

ものであると認められ、本件各役員報酬等に対して、本件前払通達の後段の

取扱いを適用することはできないと解するのが相当である。

当然の判断なのですが、これに関して補足的に解説をします。

それはいわゆる逆養老保険で1/2を役員報酬扱いにしている場合です。

この場合、支払った事業年度において全額を損金処理している場合が

ありますが、それは役員報酬を短期前払費用として処理していることに

なりますので、それは間違った処理となります。

多くの会社で逆養老保険は売り止めになっていますが、過去に販売された

逆養老保険につき、税務調査を受けるのはこれからの話です。

この点も併せてご注意ください。

 

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