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2019.01.29

法人成りの税務調査は手続き違反に要注意!

※2018年5月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

税務調査の手続きに関しては、このメルマガで
何度も解説させていただいておりますので、
この点詳しくなっている方も多いと思います。

さて、今回は税務調査の手続きに関して、
よく疑義になる「法人成り」のケースについて
解説してみましょう。

まず、最近実際にあった質問を紹介します。

【質問内容】

〇法人成りして4年目の建設業に調査が入った

〇事前通知では法人3期分が調査対象

〇調査では重点的に、個人から法人に切り替わる
時点での売上(の漏れ)を確認された

〇個人時代の帳簿・通帳を調べることは
税務調査手続きに違反していないのでしょうか?

結論から言うと、この税務調査は
明確に手続き違反(違法)です。

この調査手続き(違反)は、2つに分解して
考える必要性があります。

(1)調査対象の【税目】

あくまでも法人に対する調査であり、事前通知では
所得税の税目を伝えられていないでしょうから、
個人事業主時代の帳簿等は調査対象になりません。

個人事業主時代の帳簿等が調査対象になるには、
「個人に対して」「所得税」の
事前通知をする必要があります。

ですから、税目という観点から考えると
上記の税務調査は違法ということになります。

(2)調査対象の【期間】

事前通知での調査対象期間が3年ですから、
それを超える年分・事業年度を調査をするには
法的な要件が必要となります。

調査手続の実施に当たっての基本的な考え方等について(事務運営指針)
https://www.nta.go.jp/law/jimu-unei/sonota/120912/index.htm
の第2章3(2)における
「通知した事項以外の事項について非違が疑われた場合」
が要件です。

上記の調査では、法人成りして4年目ですから
調査対象期間が4年(期)前も含まれており、
法的要件も満たしていないと考えられるので、
調査対象となる期間という観点から考えても、
調査手続きに違反していることになります。

法人成りの税務調査では、個人事業主から
法人に切り替わったタイミングでの売上漏れ
が最重要論点になるのは理解できますが・・・

調査手続きに違反しているケースも
非常に多いので、ぜひ注意してください。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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