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2016.01.12

消費税8%、重加算税が課されるポイント

2014年4月1日から消費税率が8%にアップされ、
かなりの駆け込み需要があったようです。

消費税率が上がれば、消費税に対する
調査は厳しくなることが容易に想像できます。

消費税に関する「重加算税」に関して、
誰しもが判断に迷うポイントがあります。 
こういう場合はどうでしょうか?

「平成23年(基準期間)に売上980万円として申告していました。
平成25年(課税期間)は免税のため、消費税の申告はしていません。
しかし、平成23年分の調査を受け、売上の脱漏・除外が
発見された結果として、売上が1000万円を超え、
平成25年も消費税が(新たに)発生することになりました。
平成23年に売上脱漏・除外なので、平成25年の消費税は
重加算税と指摘されているが、そうなるのでしょうか?
全額重加算税であれば不当だと思うのですが・・・」

答えに移る前に・・・消費税に関しては、法人税・所得税とは
別に重加算税に関する事務運営指針が公表されています。

「消費税及び地方消費税の更正等及び加算税の取扱いについて(事務運営指針)」

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/jimu-unei/shozei/010329-2/01.htm

これをしっかり読んでおけば、どういう場合に
消費税に重加算税が課されるのかがわかります。
(特に、消費税固有の重加算税について)

まず、「4 重加算税の取扱い」の「所得税等に不正事実がある場合」
において、原則が定められています。

これは、

法人税・所得税に重加算税
⇒ 連動して消費税にも重加算税

と規定されているわけです。
ここまではわかりやすいと思います。

さらに、「重加算税を課す消費税固有の不正事実」において、
法人税・所得税と連動しない、消費税のみに課される
重加算税のパターンが例示されています。

一方で、「重加算税対象税額の計算」において、
重加算税が「課されない」ケースが載っています。
(「不正事実がなかったとして計算した納付すべき税額を
控除した残額」と規定されている)

そして、一番最後。「重加算税を課する場合の留意事項」においても、
重加算税が「課されない」ケースが規定されています。

(1) 基準期間における課税売上高が1,000万円を超え、
当該課税期間について課税事業者となることが判明した場合

(2) 基準期間の課税売上高が5,000万円を超え、
簡易課税制度の適用を受けられないことが判明した場合

話は戻りますが、冒頭の質問に対する答えは・・・

平成23年が課税事業者であれば、消費税にも
重加算税を課されますが、それに連動した
平成25年には重加算税は「課されない」というわけです。

※「3 無申告加算税の取扱い」の「3(3)」の規定より、
 無申告加算税(通常15%)は課されますのでご注意ください。

これは、(2)における簡易課税の場合も同じで、
基準期間に隠ぺい・仮装行為があっても、
それが課税期間に「連動することはない」ということです。

最後の2規定は、文章から意味が理解しにくいので、
注意して読んでいただきたいと思います。
重加算税が「課されない」規定ですので。

今後ますます、消費税固有の問題が生じる
ケースが多くなります。しかし、誤って
重加算税を課されないように注意が必要なのです。

 

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

※2014年4月の当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

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