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2017.05.31

税理士変更による調査選定はない

※2017年1月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

 

株式会社InspireConsultingの久保憂希也です。

いまだによく聞かれる質問ですが・・・

「税理士が変われば税務調査に入られやすくなるんですよね?」

結論からいうと、これは完全な都市伝説で、
明確に「ウソ」であり「間違い」です。

税務署が税務調査先を選定するのに、税理士が
変わった事実をきっかけにすることはありません。

実際のところ、税理士が変わった場合は、
税務代理権限証書を見て、国税のシステム=KSK
に変更入力しますので、税理士が変わった事実は
システム上把握しようと思えば簡単です。

しかし、国税は「税理士に変更があった=怪しい」
とは、もともと考えていないので、システム上の
調査選定条件に税理士変更はありません。

また、調査官(人間)からしても「税理士が
変わったから何かやましいことがあるんだ」
とも考えていません。

私がこう言うと、「実際には明らかに違う」
「自分のところに関与が変わった瞬間に入った」
などと皆さん言うのですが・・・違います。

繰り返しますが、国税は税理士が変更になった
ことで税務調査に入ることはありません。

一方で、税理士が変わると、実務上は
「会計処理のルールを変更」することが通常です。

・雑費になっているものの勘定科目を細かく振る

・福利厚生費を会議費に振る

・売上の一部を雑収もしくは営業外に振る

これらの行為は、会計処理ルールをきちんとする一方で、
期間損益の比較をおかしくします。

もちろん金額にもよりますが、前期で
福利厚生費だったものを会議費にすれば、
今期の数字は福利厚生費が急減して
会議費が急増するわけですから、国税が
税務調査に選定しやすくなる、というわけです。

KSKは、調査対象の選定・抽出条件の重きを
期間損益の比較に置いていますから、
勘定科目ごとの金額(増減率)が急激に
変わることは調査選定されやすくなるわけです。

逆をいうと、税理士・会計事務所が変わっても、
会計処理等のルールを変えないのであれば、
調査に入られやすくなることは「あり得ません」。

社長の中にも「税理士を変えると調査に入られる」
と言う人もいますし、税理士でさえ
そう信じている方が多くいます。
実際にそんな事実はありません。

調査に入られたくなければ、前の税理士・会計事務所
がやっていた処理方法をあえて踏襲することです。
ぜひ、勘違いを正してください。

 

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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