ロックアップを税理士事務所のケースで解説

ロックアップを税理士事務所のケースで解説

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

先週の本メルマガでは、弊社のM&A担当・高橋から
いわゆる「キーマン条項(ロックアップ)」について解説させていただきました。

この条項については、税理士事務所のM&Aでは当然についてくるものなので、
今回は税理士事務所のケースで解説します。

弊社では、税理士(個人)・税理士法人のM&Aにも関与・仲介していますが、
税理士事務所のM&Aの場合、
その顧問先は所長である税理士や担当職員との関係性が深いことから、
ロックアップされることが通常です。

ただし、事務所職員をロックアップすることは事実上不可能ですから、
一般的にロックアップの内容は下記のようになります。

〇所長税理士については2年程度のロックアップ

従業員もしくは顧問として残留し、買い手への引継ぎを行う

〇ロックアップ期間終了後の残存顧問先数によって最終的な譲渡対価を精算する

一般的には70~80%以上の残存率で当初の譲渡対価となり、
それを下回った場合譲渡対価から差引き計算される

〇譲渡対価のうち半額程度をいったん支払い、上記の精算時に残余分の精算を行う

〇残余分の精算については、譲渡対価として支払うこともありますが、
退職金として精算されることもあります

これは税引き後の手取り額を考慮し、
かつ退職金として(税務上)支給できる上限などによって条件が変わってきます

税理士事務所のM&Aの場合、売上=譲渡対価の基準とされることが多く、
その対価の内容は「顧問先(との契約)」であることから、上記のように
顧問先が実際に引き継がれたかによって最終的な精算をすることになります。

また、M&Aの理由が、顧問先の引継ぎであっても、
それにプラスして職員のリソースを引継ぎたい、という
主旨である場合は、ロックアップを付さないケースもあります。

今回は税理士事務所のM&Aで解説しましたが、
これは売上や顧客が社長・従業員に紐づいている法人の
M&Aでは同じ考え方が成り立ちます。

売り手としてロックアップされたくないのであれば、
属人的なビジネス形態から脱却する必要がありますし、
あえてロックアップを受け入れることで、
買い手との意思の齟齬をなくすこともできます。

どちらがいいのか、一概には言えませんが、
退職金で受け取った方が、手取り額が増える場合も多いので、
スキーム内容の選択において考慮すべき大きな要素となります。

ぜひ、参考にしてください。

未分類カテゴリの最新記事