少数株主を事前に整理する

少数株主を事前に整理する

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

弊社には定期的に税理士さんから、
顧問先の売却(M&A)案件について相談があるのですが、
少なくとも売却意向があるのであれば、
事前に少数株主を整理した方がいい案件もあります。

実際に売却の方向性で動いた場合、
少数であっても株主が分散している場合、
そもそも買収側が手を上げにくいのは間違いのない事実です。

株主が親族であって、かつ意思統一が容易である場合を除けば、
株主をいかに整理するかはなかなか難しい問題であることがわかります。

実際の売却相談案件を取り上げましょう。

・売却希望会社:A社

・A社には現在、3名の株主がいます

・A社は設立時からB代表取締役が100%株式保有でしたが、
3年前に事業関係者のC・Dからそれぞれ10%ずつ出資を受入れました

・現在の株式保有割合は下記です(全て普通株式)
B:80%(法人設立時の株価@1万円)
C(個人):10%(増資時の株価@2万円)
D(個人):10%(増資時の株価@2万円)

・Bは会社を売却希望ですが、買収側は少数株主とモメたくないため、
「まずはBがCおよびDから株式を買い取って、100%保有にしてからM&Aの話を進めましょう
という要請がありました。

・BがCおよびDに株式買取について打診したところ、
C・Dはともに「出資額だけ返してくれたら問題ない」という話になっていますが、
BはCおよびDにM&A(売却)の事実は伝えていません。

少数株主を整理する場合、
「法的には」いくつかの方法があり、スクイーズアウトなど法整備もかなり進んでいます。

一方で、「現実的」な手法は常にまず、少数株主との協議による【任意買取】です。

上記のような法的少数株主排除の手法
あくまでも、任意買取が成立しない(モメた)ケースで適用すると考えるべきでしょう。

上記の相談実例でいうと、
売却予定価格が@3万円程度と見込んだ場合、
BとしてはC・Dに対して@3万円から「多少高めの」価格をあえて提示することで、
C・Dは株式売却に応じる可能性が高くなります。

株式を買い取る大株主としては、
色付けした分損をした気持ちになるとは思いますが、
株式を分散させた対価と考えるしかないでしょう。

もちろん、株式を買い取った(集約した)後に会社が売却できないリスクや、
買取資金の問題はあるのですが、
そもそも売却する時点で第三者が数名いるのは、
売却の話が進まない強い要因になることは理解すべきです。

株主が複数人いる法人も昨今は増え、
税理士・会計事務所としては経営リスクを危惧するケースも多いのでしょうが・・・

売却意向に入れば、まず株式の集約を顧問先に勧めてください。

未分類カテゴリの最新記事