明暗を分ける売り手の意識の違い

明暗を分ける売り手の意識の違い

今回のメルマガでは、M&Aにおける売り手側が、
事業を手放すことを決めたがために、
事業がうまくいかなくなったばかりか、
結果として売却できなくなるケースを解説します。

弊社が今年初旬に関わった売却案件において、
ある時期から急速に売り上げが落ちている原因を
尋ねてみたところ、

「その時期に上場企業からM&Aの基本合意を
取り付けたので、集客していたDMをやめた」
(集客コストを減らした)

という話がありました。

結果として、直前で買い手の都合で破談となり、
さらには、不穏な動きを感じた従業員のモチベーションも下がり、
事業価値がみるみる衰退した悪例です。

事業を売却するということは、
「将来的にも価値のある事業」だからこそ、
「買いたい」と思う企業が譲り受けるわけで、
現実の認識がズレたまま、「ただ都合よく売りたい」
という事業売却がうまくいくはずがありません。

そのような状態の場合は、売り手意識の
「軌道修正」を行う必要があります。

事業の現実値(価値)を認識して、
その事業価値の向上を、引継ぎ(売却)の瞬間まで
高める意識が重要で、この「軌道修正」をせずに
M&Aの話を進めると、関わるプレイヤーは
多くの時間と労力を無駄に消費してしまいます。

商売では「不良品を売りつける」ということは
当たり前にタブーなことだと認識している一方で、
事業売却という大きな取引において、
「事業(商品)」を引き渡す直前まで、
最善の努力を行うということを
忘れてしまっている実例が多いわけです。

このようなケースで多い、経営者が事業売却を
意識したきっかけとして、

・知り合いの同業者が○○円(高額)で売却した
・他者より○○円以上で売却ができると言われた
・いままで投資した分の○○円くらいは回収したい

といったことが思惑にあり、大抵の場合は
「○○円」という価格と、実際の「現実(事業の価値)」
とは、大きな乖離(○○円では売れない)があります。

本来あるべきM&Aの成功事例として、
弊社が仲介をして、直近で成約した案件があります。

売り手は「適切な事業者に売却」することを前提として、
企業を買収したファンドでした。

売却を前提としているからこそ、徹底的な
「事業価値の向上」の動きをしており、
売上・利益・従業員のモチベーションを
短期間に上げることを実現していました。

「事業の業績が好調」ということから、
M&A(売却)の話が持ち上がってから
交渉の過程においても、収益(キャッシュ)が
積み上がり続けていましたので、買い手も
不安なく買収に応じていただける結果となりました。

M&Aによる売却は、「売る」ということの
意識の違いで毒にも薬にもなる要素を持っています。

売り手経営者に適切な心得を持っていただくことが、
とても重要であり、そこに関わるプレイヤーとして、
常にそこに導くことが大きな価値であるといえます。

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