DDを実施する際の着目点・注意点(2)

DDを実施する際の着目点・注意点(2)

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

前回の投稿から引続き、DD(デューデリジェンス)を実施する際に、着目すべき点などを解説します。

DDに関するサイトや書籍等を読むと、わりと杓子定規に
「議事録を確認して・・・」
「勘定科目のここを・・・」
と書いているわけです。

これらが間違っているとは言わないまでも、DDという業務の目的からズレているとは思います。

DDとは、買う側が売る側の決算書等の情報を見て、それが本当に信用に足るのか、もしくは決算書等に載っていないリスクがないのかを検証するために行うものですから、その(一義的な)目的は【簿外】の発見です。

さらに言うなれば、買う側のリスク回避が目的になるわけですから、【簿外負債(債務)】をいかに見極めるかが最重要課題になります。

簿外負債というと、売り手が悪いことをしているように思えるわけですが、一般的な特に中小企業の場合、簿外負債というのは普通に存在します。

もっとも多額になりやすく、よくある簿外負債項目は「未払い残業代」でしょう。

私が実際に関わったDD案件でいうと、

・社会保険に未加入

・恒常的に未払い残業代が発生している

・合併すると給与テーブルを合わせなければならないことから、人件費はかなり上がる

という3重苦が発生することがわかり、取引先の買収をあきらめたケースがあります。
これも見方によって簿外負債の例です。

また、取引先との係争や、関係性が良くないため将来的に取引が縮小するリスクというのも、決算書を眺めているだけでは絶対に把握できない、かつ重要な論点になります。

売る側は、当然ながらできるだけ高額で売却したいわけですから、係争状態にあることや、関係性が悪くなっている事実を隠そうとします。

係争といっても、普通は裁判などで表沙汰になっているわけではなく、内情として関係が悪くなっているケースがほとんどですから、大きな取引先に対する取引額はもちろんのこと、単価や数量まで把握しなければなりません。

さらに、重要なのは簿価計上の資産です。

実質的に回収できない売掛金はほぼ100%の確率であると思って間違いないでしょう。

所有する不動産は簿価計上されていますが、固定資産税評価額などで割り返し計算すると、おおよその時価が算出できますので、ここも絶対的な確認ポイントになります。

これも私が関わった案件で、資材置き場になっている土地(簿価4,000万円)を調べたところ、おおよその時価が約2,000万円であることがわかり、これを加味すると実質的な債務超過として買い手が買収をやめた案件もあります。

このように、DDは元帳・仕訳をそのまま追うのではなく、いかにそこに載らないリスク・マイナス額を追うかが大事なのです。

次回の私の投稿では、実務上よくある「簿外」についてさらに解説していきます。

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