事業譲渡を選択するケース(一部事業のみが対象)

事業譲渡を選択するケース(一部事業のみが対象)

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

今回から複数回にわたり、M&Aにおいて
事業譲渡を選択するケースについて解説します。

通常、事業を売却する場合は、株式譲渡を
選択するケースが圧倒的に多く、
一般的には7~8割が株式譲渡と言われます。

もちろん、これには理由があって、
個人が株主である場合、株式譲渡を選択すれば
20%の分離課税で済むからです。
これは、税務上大きなメリットになります。

また、株式譲渡は手続きが簡便で、
株式譲渡契約を締結すればその効力が
発生することになりますから、売却法人が
資金繰りの問題などでM&Aを急いでいる場合、
株式譲渡を選択するケースが多くなります。

一方で、M&Aのスピードという点においては、
事業譲渡も急いでいるケースでは適用が可能で、
公告や債権者保護手続きが不要で、
(内部の取締役会などを除き)事業譲渡契約を
締結すればその効力が生じることになります。
(要する手続きの詳細は別途のメルマガで)

事業譲渡の手続きを選択する上での、
税務上の明確なデメリットは消費税が
発生することですが、それを受け入れてでも
事業譲渡を選択しなければならないケースは、
法人内の一部事業だけ売却する場合です。

もちろん、一部事業だけを譲渡対象とする
場合であって、会社分割を選択することは
可能なのですが、会社分割は(原則として)
公告と債権者保護手続きが必要となりますので、
あえて選択するケースは少ないように思います。

また、グループ内組織再編のように、
譲渡対価について株式の割当をするのであれば
会社分割を選択することは当然でしょうが、
第三者に売却するのであれば、買収先が
上場企業でもない限り、株式の割当を
しないでしょうから、事業譲渡になります。

弊社が以前関わった案件でも下記があります。

〇衣料品の通販会社が、一事業部として
行っている介護事業を売却意向

〇介護事業は新規事業として4年前から開始

〇通販事業と介護事業は全く別の事務所で、
別の従業員で構成されていた
(共有業務は経理・会計のみ)

〇介護事業を継続するのであれば
分社化をする予定であった

この事案でも、会社分割をしてから
株式譲渡するスキームも検討しましたが、
手続きの煩雑さと、弁護士報酬の高さで
あえて事業譲渡を選択することになりました。

M&Aに関わる場合、株式譲渡以外のスキームを
考えるであれば、まずは「事業譲渡」を
考慮するとシンプルに話が進みやすいと思います。

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