M&A仲介・FA業務と利益相反

M&A仲介・FA業務と利益相反

KACHIEL(勝ち得る)M&A事務局の高橋です。

今回のメルマガは、
M&Aの仲介・FAで関わる際に議論に上がる、
「利益相反」について解説します。

一般的には、

1)仲介=両手取引
⇒売り手と買い手の両方に同じアドバイザーがはいる

2)FA=片手取引
⇒売り手か買い手に別々のアドバイザーがはいる

とのイメージが強く、
概ねの認識は間違ってはいません。
(実際にはFAが両手取引を行う場合もあります)

まず、「利益相反」という議論によくぶつかるのは、
「両手取引」になります。

なぜなら、
「売り手は高く売りたい」
「買い手は安く買いたい」
という大前提から、売り手と買い手は
基本的には利益相反するからです。

それでは、法律的な見解ではどうなのか?

主に法的に問題視される「利益相反」の形は、
「双方代理」という形になります。

民法108条に、

「同一の法律行為については・・(中略)
当事者双方の代理人となることはできない」

と規定されているからです。

M&Aにおいての「法律行為」の典型は、
株式譲渡契約を締結することになり、
この契約締結を仲介・FAが「代理」するとしたら、
民法108条の「双方代理」の規定が適用されます。
しかし、通常、M&Aの仲介・FAの業務は、
法律行為(契約締結)の代理は行いません。

M&A業務は多岐にわたる専門的なサービスを
総合的に提供する「業務委託契約」
締結するのが一般的であり、
「両手取引」となっても
「双方代理」には該当せず、
法律上は問題ないというわけです。

一般論として、
M&A業界に関する特殊な法規制はないので、
特に契約形態をどうするべきかの決まりは
ありませんが、基本的には
「業務委託契約」になります。

それでは、それ以外での「利益相反」の
可能性はないのでしょうか?

M&A業務の報酬体系は、
ディール規模(取得価額)に一定の料率を
乗じたものになっているのが通常です。

買い手のFAが受け取る報酬だけを考えた場合、
買い手の利益(できるだけ安く)とは相反して、
できるだけ高く買ってもらったほうが、
報酬が高いということになります。

しかし、視野を広げて考えると、
売り手は基本一度きりの取引に対して、
買い手はリピートの可能性があるため、
M&A業界でみると、買い手に有利な交渉を
行なうという事が、メリットがあるという事実もあります。

よって、部分的に見る「利益相反」の議論よりも、
重要なことは、仲介であろうと、FAであろうと、
「M&Aを成立させたい」という最終的な目的と、
双方の落とし所を見つけにいくという手順は、
どちらも同じだということです。

そもそもM&Aにおいては、
仲介・FAの交渉で簡単に価格が上下するものではなく、
売り手・買い手の落とし所に、
双方が「納得する理由」があることが大前提で、
それがなくては「M&Aは成立しない」ことになります。

したがって、仲介・FAを問わず、
きちんとした検討で進むならば、
「利益相反」という問題が起こる可能性は
極めて低いといえます。

ただし、両手取引において「納得する理由」とは別に、
一方に有利な結果となってしまった場合には、
他方に対する「善管注意義務違反」になりますので、
ここは注意する必要があります。

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