事業譲渡を選択するケース(従業員を承継するリスク)

事業譲渡を選択するケース(従業員を承継するリスク)

こんにちは。
久保憂希也です。

前回配信した本メルマガでは、認識できない簿外負債を引き継がないよう、
事業譲渡を選択する場合もあると解説しました。

簿外負債の中で、顕在化しやすく多額になるのは未払残業代などの労働債務です。

事業譲渡をしたからといって、労働債務が引継がれないわけではないので注意が必要です。

事業譲渡によって従業員も引継ぐ場合、法的には大きく2つの方法に分かれます。
「譲渡型」「再雇用型」です。

事業譲渡は法的に、承継する契約や権利を特定し、
契約書の中に列挙することではじめて、その契約や権利が承継されることになり、
労働者も同様の取扱いになります。

例えば、従業員のAさんは引き継ぐので契約書には氏名を明記するが、
Bさんは引継がないのであれば記載しないことになります。
これが「譲渡型」です。

ただし、もちろんですが、引き継ぐ従業員の
個別の承諾は必要となります。

この場合において、
事業とともに引き継いだAさんの労働契約はそのまま保持されることになりますから、
このままでは未払残業代などが請求されるリスクがあるため、
「労働契約のみ承継する」など特約を付すことが重要になります。

一方で、「再雇用型」ですが、譲渡会社を正式に退社、もしくは解雇し、
譲受会社が雇用契約を新たに行うパターンです。

この場合であっても、
未払残業代などの労働債務が絶対に引き継がれないのかというと
そうではなく、リスクは残る場合もあります。

譲渡会社と同じ雇用条件を引き継いだり、
また雇用契約書を新たに締結していない場合は、
労働契約が新規にされたのではなく、そのまま引き継がれたと考えられるからです。
(ここは事実認定の問題です)

このリスクを避けるために、再雇用型の場合は

・事業譲渡契約書には労働者を引継がないことを明記しておく

・再雇用した従業員と労働契約書を締結する

・労働契約書の中に、譲渡会社との労働債権・債務は引き継がないことを明記する

労働条件はできる限り変更する
(給与額などの変更)

などをすることでリスクヘッジが可能です。

従業員を引継ぐ場合の事業譲渡でも、簿外債務の引継ぎリスクがありますので、
ぜひ注意してください。

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