税理士事務所のM&Aにおける注意点・盲点(5)

税理士事務所のM&Aにおける注意点・盲点(5)

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

税理士・会計事務所のM&Aにおいて、特に税務的な側面から4回にわたって解説してきましたが、今回は税理士事務所のM&Aにおいて考えるべき「要素」について解説し、このシリーズを完結させます。

弊社は、税理士・会計事務所の顧問先である一般企業同士のM&Aも仲介しておりますが、税理士事務所の「M&A」はそれらと相違し、実際のところ経営統合という結論になる「M&A」は割合的に多くないといえます。

広くは「事業提携」もありますし、一部顧問先の切り離し・売却の案件が多いのが特徴的です。

これは、税理士・会計事務所の業務内容が「全国・どの事務所でも同じ」であることが根本的な特徴だと捉えるとわかりやすいです。

「この顧問先を切り離しても、ただ断るわけではなく、対応できる別の会計事務所を紹介することができる」
という、一般企業ではあまり無い状況が業界の根本に存在するわけです。

事務所職員も同じで、現事務所を離職しても同じスキル・業務経験がそのまま生かせる転職先事務所はいくらでもあるわけです。

さて、これはどの業界でも同じですが、業界内の成熟度合いが進むと、3つの要素で「特化」しなければ生き残れないと言われます。

地域特化:ある狭い地域で独占的に経営する

Webやクラウド会計ソフトの普及により、税理士で地域特化は難しくなっています

業種特化:顧客の業種を絞ることによって知識・ノウハウの集約をはかる特化型モデル

以前からある「資産税」特化などに加えて、「医療」「飲食店」「美容室」「パン屋」などの特化型がさらに進んでいます

業務特化:会計事務所が受注・実施する業務を絞るモデルで、記帳代行を積極的にするなど

最近は事業承継・M&A業務を筆頭に、付加価値が高い業務特化が増えました

また、上記に関連しますが違う切り口として、報酬が高い・安いに特化するモデルがあります。

報酬が高いと業務の量・幅が大きく、税賠等の責任も大きくなることから、報酬が安い顧問先を積極的に受け入れたり、もしくは報酬額は当初一般的ですが、顧問先が大きくなり始めると契約解除する会計事務所も増えました。

このように、各事務所が「特化」を進めると特化するのに不要と判断される顧問先・職員を整理したいと考えるのはむしろ当然のことであり、逆に、それを積極的に受け入れたいと考える会計事務所は絶対的に存在するわけです。

一方で、特化することだけが事業モデルではないことも明白です。最近は、法人顧客を増やしながら顧問先法人の資産税関連案件は、特化した会計事務所に外注するモデルが普通になっています。

上記のように、税理士・会計事務所の「M&A」は一般企業の案件よりも幅が広く、経営方針として考えるべき要素は多分にあります。

「この顧問先が事務所の方針と合わず、 できれば他事務所へ対応を任せたい・・・」
(料金・会計ソフト・業種・規模などの理由)

「資産税の業務は専門事務所へ任せたい・・・」

といったご状況でお悩みの方はぜひ弊社までご連絡ください。

弊社は全国の税理士にネットワークを持ち、年間に100件以上、新たな税理士とのマッチングを行っています。

その際、ご紹介料のお支払いも可能ですので、お客さまからの信頼を守りつつ、ご要望にお応えできると自負しております。

【連絡先】
株式会社KACHIEL 担当:大竹・菅原
電話番号:03-5422-6166
アドレス:mainfo@kachiel.jp

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