ノンネームシートの作成

ノンネームシートの作成

KACHIEL(勝ち得る)M&A事務局の高橋です。

前回は、「買い手候補のリスト作成」について解説しましたが、今回は、リストアップした候補先企業へのファーストアプローチとして欠かせないツールである、「ノンネームシート」の作成のポイントについて解説します。

M&Aは、可能な限り秘密裏に行われる必要がありますが、「より良い買い手企業を探したい」という目的を達成するための、「多くの可能性(買い手企業)と検討したい」というプロセスと、「より秘密裏に」ということが、相反することを前提に進める必要があります。

そこで、「秘密性」を保ちながら、買い手候補とのご縁の創出や、情報開示相手の絞り込みを行う重要なツールとして、売り手企業のざっくりとした概要を「匿名」で開示する、「ノンネームシート」を作成します。

逆に言うと、ノンネームシートは守秘義務のないオープン情報です。
買い手候補のリスト上の企業だけでなく、M&A業者やインターネット上など、無制限に拡散・配布されることがあり、これを止める法的な権限はありません。

だからこそ、想定していなかった良質な買い手候補とのご縁が生まれることもあるのですが、その内容には十分に気を配る必要があるのです。

最も大事なことは、「売り手企業を特定されない」ということになりますが、一般的に必要な情報は下記になります。

1)事業内容(業種)

2)地域

3)売上規模・従業員規模

4)M&Aスキーム(売却手法)

5)希望価格

6)対象会社の特徴

7)特記事項

1)~3)の内容においては、「特定」されないように細心の注意が必要です。特に、記載した地域に、記載した業種・売り上げ規模の会社が少数の場合は特定されやすいので、地域と売り上げ規模や従業員数は、ざっくりとした情報にする必要があります。

例を挙げると、

地域:~県
売上:1億円以上5億円未満
従業員数:10名以上50名未満

といった感じです。

うってかわって、
「4)M&Aスキーム(売却手法) 」と「5)希望価格」は、出来る限り明確に記載することがポイントになります。

買い手にとっては、100%株式譲渡なのか、事業譲渡なのかということは、とても重要な情報になります。
売り手にとっても「M&Aスキーム」は、この時点で明確に方向性を定めておく必要があります。

また、「希望価格」も明確に記載することで、買い手をある程度選別することができますが、少し幅を持たせたいのであれば、「応相談」というワードを記載するのが一般的です。

そして、前回解説した、「買い手候補のリスト」で分類した、買い手候補のタイプ(同業種・異業種など)に合わせて、「6)対象会社の特徴」や「7)特記事項」に記載する内容は、複数のパターンの記載内容を検討します。

要するに、買い手候補に興味を持ってもらいやすい内容を記載することが重要になるわけです。

例を挙げると、

「30代~40代の女性顧客が中心(~名の顧客リストなど)」
「~の資格(または許認可)を有しているので~の事業展開が可能」
「ノウハウの引継ぎ完了まで代表の残留が可能(キーマン条項)」

といった感じになります。

大きく分けると、「ノンネームシート」は、

・買い手候補リストで優先順位の高い分類の企業向け
・一般的に幅広く公開する不特定企業向け

の2種類のタイプを作成するべきです。

このように作成した「ノンネームシート」をもとに、下記の手順でM&Aを進めていきます。

【 1.ネームアップ 】
「ノンネームシート」を見て興味を持った、買い手候補の「企業情報」を開示して、売り手に「ネームクリア(売り手企業名の開示)」がOKかを確認する。

【 2.ネームクリア 】
ネームアップ確認でOKが出た買い手企業へ、売り手企業名を開示。

【 3.秘密保持契約書の締結 】
買い手企業は、売り手企業のHPなどの情報を確認の上、更に進める(興味がある)場合には、「秘密保持契約書」の締結を行う。

【 4.企業概要書(IM)の開示 】
「企業概要書(IM)」を開示の上、具体的なM&Aの交渉がスタート。

「ノンネームシート」の作成ポイントは、幅広く良い候補先のご縁を作るということと、特定の「売りたい候補先」へ、いかに興味を持ってもらうか、ということの2軸で考え、その中で、「秘密性」をどのように保つかが、重要になるのです。

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