債権者保護手続きの個別通知を不要と判断するケース

債権者保護手続きの個別通知を不要と判断するケース

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

前回の私のパートでは、「債権者保護手続きと実務上の対応」と題して、M&Aにおける債権者保護手続きについて解説しました。

さて、今回は前回の逆説となるような内容ですが、債権者保護手続きは法律上必要ではあるが、【あえてしない】と判断するケースについて解説します。

債権者保護手続きをしなければならない場合において、実務上問題になるのは「債権者の数が多い」ケースです。

ですから実務上は、少額の債権者や、完済までの期間が短い債権者には個別通知を送らないとすることが多いです。

もちろん法律上、債権者保護手続きが必要なのですから、少額であったとしても個別通知をしないことは、必要な手続きを怠ったとして、無効事由となる可能性はあります。

しかし、個別通知せずにたとえ無効の申立てを受けたとしても、少額である場合はその後一括弁済すればよく、弁済さえすれば債権者ではなくなりますから、上記の法律による無効リスクはないのと同じになります。

むしろ少額の債権者にまで通知を送って異議が出されると、M&Aの効力発生までに全額弁済しなければならないリスクがあります。

また、個別通知を大量にすることによって、その問合せに対応しなければならない、という実務上の労力・時間は計り知れません。
(金融機関などは慣れているが、一般的な取引先企業は通知内容を理解できない場合が多い)

以上から、債権者保護手続きによる個別通知をする場合は、債権者(債務)一覧を作成し、

・少額で一括弁済が可能
・翌月などに支払期限がくる継続的取引先

を除いて個別通知をすることが一般的です。

一括弁済できるかどうかは、各法人のキャッシュ状況で個別判断することになります。

M&Aにおいて組織再編行為がともなう場合、債権者保護手続きが大変という意見を聞きますが、実務的には上記の切り分けをすればそこまで労力負担は生じないでしょう。

また、M&Aではなくとも減資する場合など債権者保護手続きを要する法律行為も上記と同じで、一般的にはすべての債権者に個別通知することはないでしょう。

ぜひ、参考にしてください。

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