2024年度の税制改正において非課税措置が３年間延長（2026年末まで）された【住宅取得等資金の贈与（特例）】。

親（や祖父母など直系尊属）からの贈与（非課税）で住宅を購入できるという、対象者が広い優遇措置であることから、相続（生前）対策の１つとしてネット記事やメディアでも取り上げられることも多く、またハウスメーカーなども積極的に提案／営業している制度（特例）です。

一方で、その適用要件（受贈者・住宅用家屋等）がかなり細かいことに加え、この特例を適用した場合の「勘違い」も多く発生する領域です。

住宅取得資金贈与は暦年贈与もしくは相続時精算課税と併用することができるわけですが、

• 暦年贈与を併用している場合：基礎控除（110万円／年）を適用した部分は生前贈与加算の対象になる
• 相続時精算課税制度を併用している場合：贈与財産は基礎控除（110万円／年）を除き、すべて贈与時の価額で相続財産に持ち戻す（孫への贈与でも相続税がかかる）

などには注意しなければなりません。

また、住宅取得資金贈与の特例にも（将来的な）デメリットがあり得ることは、顧問先・関与先に対して事前にアナウンスする必要はあるでしょう。

●小規模宅地等の特例が使えない
（一般的には贈与を受けた子が別居になるため）

●相続人が複数いる場合には遺産分割の火種になる
（兄弟姉妹のうち１人だけが贈与特例を受けると遺留分が発生する）

このように、顧問先・関与先が早計な・誤った特例適用をしないためには、税理士・会計事務所が適切な提案・注意喚起をする必要があるわけです。

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