株式譲渡承認請求の必要性
※2024年10月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
税理士法人レディングの木下でございます。
今回のテーマは、
「株式譲渡承認請求の必要性」です。
我々税理士の顧問先となる法人の多くは会社法上の「譲渡制限株式会社」です。
一般的には「非公開会社」と呼ばれます。
ここで、
祖父から孫(成年)へ贈与する場合を検証します。
税理士としての論点は、
自社株に関する株価評価になるかと思います。
つまり、
原則的評価か特例的評価か。
もちろん、贈与契約(民法549)が締結し契約書も作成します。
中小企業の場合法人税申告書別表2が実質的な株主名簿といっても過言ではないため、
別表2における株主が保有する持株数も変更します。
もちろん、
基礎控除(110万円)を超える財産額であれば贈与年分の確定申告(贈与税)を行います。
ここまでが税理士実務かなと推察します。
場合によっては、別表2を変更するだけで贈与契約書を作成しないケースもあるかもしれません。
贈与者と受贈者の意思の合致をもって贈与契約(民法549)を締結することになりますので贈与対象物である自社株の所有権も移転することになります。
ただし、注意点は、
贈与における当事者間での所有権の移転であり、
その移転を発行会社に主張できるか否かは別の問題となります。
受贈者の立場であれば、
贈与により自社株を取得していることから
・議決権行使(会社法105(1)三)
・剰余金の配当受領(会社法105(1)一)
する権利を有しているはずですが、
株主名簿に記載がなければ、
上記のような株主権を行使することはできません。
株式会社は、一定の日(基準日)を定めて、
基準日において株主名簿に記載れている株主に権利を行使することができる者とできると定めています(会社法124(2))。
冒頭申し上げましたが、中小企業の多くは「譲渡制限株式を発行している会社」です。
譲渡制限株式とは、会社法では以下のように定めています。
―――(会社法2十七)
株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。
―――
そのため、贈与をした場合には
1.株式会社が定める譲渡承認機関(取締役会、株主総会)
にて譲渡の承認してもらい(会社法139)そのうえで、
2.株主名簿の名義書換を請求する必要があります。
具体的な流れは会社法で定めています(会社法138)。
譲渡承認手続で承認してもらい株主名簿の名義書換を請求し株主名簿上の株主として記載されて初めて株主権を行使することができることになります。
次回も引き続き、
譲渡承認請求が必要な場面を検証します。
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