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2014.12.16

調査官が銀行調査を行う本当の理由

今回は『銀行調査で見ているもの』です。

税務調査も年内終結に向けて動き出す時期になりました。
皆さんの税務調査はいかがでしょうか?

さて今回は、調査官が銀行に反面調査に行ったときに
見ているものを教えます。

昨今の銀行調査は大きく変貌しました。

以前は預金通帳の内容を見たい場合や、税務署に申告されていない
口座があると思われる場合、調査官自身が銀行に出向き、
銀行調査証を提示して、見たい口座の情報を提示。

COM(コム)と呼ばれるマイクロフィルムで
調査官自身が口座情報を1つ1つ調べていました。

これがまた忍耐だけを要する地道な作業なのです…

しかし現在は銀行が保持する口座情報のほとんどが
電子データ化されているため、調査官自身が銀行に
行くことをせず、銀行の照会窓口に銀行調査証を
郵送することで、口座情報が銀行から紙面で
税務署に送られてくるのです。

では、調査官が銀行に全く行かなくなったのか?というと
そうではありません。

すでに調査が始まっていて、預金の動きがわかったとしても
反面調査で銀行に行くケースがあります。

それは「稟議書を見るため」なのです。

銀行の稟議書は、その法人の実態が書かかれていることが多いのです。
ご存知の通り、銀行は融資を実行する際に
単純に決算書・試算表を分析するだけではなく、
資金使途やヒアリング情報などを稟議書に盛り込みます。

融資を受けたいがために銀行にはきちんと会社情報を開示するのですが、
税務署にはなかなか本当のことを言ってくれないのが経営者です。

調査が進み、お金の動きが見えづらいとき、
調査官は融資の取引銀行をまわって、
稟議書の内容をひたすら調べます。

稟議書には主力銀行(メインバンク)であればあるほど
会社の実態が書かれているもの。

銀行も融資するのが仕事です。

ある程度グレーな資金使途でも返済見込みさえ
あれば融資しているものです。

稟議書から法人の取引先や事業状態、はたまた経営者の本音や親族関係まで
しっかり把握することもできるのです。

銀行との付合い上、会社の実態を銀行にしっかり伝えるのはいいことですが、
調査官にも見られている意識を持つことも重要です。

 

※2010年12月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
ご注意ください。

また、ブログの内容等に関する質問は、
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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