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2023.07.07

調査手続き違反を問うなら調査内で行うべき

※2022年7月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

本メルマガでは、税務調査の手続きに関して
国税通則法第74条の2(質問検査権)以降の
各項目を何度も・詳しく解説してきましたので、
調査手続きに詳しくなった方も多いと思います。

・質問検査権の範囲から逸脱
・無予告調査の適正性
・調査終了の際の手続き
・再調査の規定
・修正申告の勧奨  など

一方で、税務調査において手続き違反があった場合、
具体的にどのように対応すべきかは、調査事案ごとに
相違してくるでしょう。

調査に立ち会う税理士として、調査手続き違反が
あった場合の対応で、避けた方がいい行動は、

手続き違反を調査官に問う

調査官は手続き違反でない旨を反論
(もしくは手続き違反でも調査全体に
影響を及ぼさない旨を主張してくる)

手続き論に終始してしまう
(否認指摘もしくは増差所得に触れない)

最終的に更正(処分)される

調査手続きの違法性・瑕疵を事由として
課税処分の取り消しで不服申立てする

のように、調査手続きだけに固執するケースです。

公開裁決事例を調べてみると、税務調査の中で
「一部」手続き違反があった場合であっても、
更正など処分が取り消しになった事案は皆無です。

●事前通知(無予告調査)に関する公開裁決事例

●調査終了の際の手続に関する公開裁決事例

●上記両方の手続きを争った公開裁決事例

調査手続きの違法性・瑕疵について、納税者が勝った
判決・非公開裁決などもあわせて参考にすると、
課税処分が取消し/取消しにならない基準としては、

調査手続の瑕疵は【原則として】
課税処分の取消し事由とはならない

ただし、例外的に

調査手続きに【趣旨目的に反するほど重大な違法性】
がある場合に取消し(の可能性がある)

というのが通説となっています。

この論点に関しては、調査手続きが法定化された
後の裁決・判決まで検証した下記の論文に
詳しく解説されています。

「調査手続の違法と課税処分の関係について」

また、上記サイトの一覧(図)が非常に
うまくまとまっていますので、下記URLに
拡大図をそのまま載せておきます。

https://kachiel.jp/sharefile/220720procedure-list224184.pdf

上記のとおり、手続き違反・瑕疵を問い続ける
ことは得策ではない(=不服申立てしても
負ける可能性が高い)ことから、税務調査内で
(特に統括官などに対して)

●調査手続き違反であることを根拠をもって明示

●手続き違反を追求しない代わりとして、
否認指摘の一部を取下げてもらうなど、
バーター取引として交渉の材料に使う

ことが重要になります。

調査官(税務署)側も、「出るところに出れば
勝てる」とはいえ、現場レベルでは手続き違反を
追及されると当然に問題になりますので、
一部否認指摘の取下げなど、バーターには
応じる可能性が高いでしょう。

あくまでも調査では、手続き論に終始せず、
増差に反映させるよう交渉することが大事です。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

著者情報

久保憂希也

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