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2019.10.29

日当が否認されないためにすべきこと

※2018年10月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

「日当はいくらまでなら調査で否認されないですか?」
という質問は、税理士が顧問先から受けて
回答しにくいのと同じように、私も
税理士から質問を受けて回答しにくい論点です。

そもそも、日当が非課税になる論拠としては、

「旅費・宿泊費に含まれない、出張中の
個人的支出を法人が負担するもの」

となります。例えば、出張に行くとなると、
食事を家でとることができないなど、
出張中の食事について自己負担分が生じることから、
それを会社が実費弁償することが目的です。

日当(非課税とされる旅費の範囲)は
通達で下記のように規定されています。

所得税法基本通達9−3
法第9条第1項第4号の規定により非課税とされる
金品は、同号に規定する旅行をした者に対して
使用者等からその旅行に必要な運賃、宿泊料、
移転料等の支出に充てるものとして支給される
金品のうち、その旅行の目的、目的地、行路
若しくは期間の長短、宿泊の要否、旅行者の
職務内容及び地位等からみて、その旅行に
通常必要とされる費用の支出に充てられると
認められる範囲内の金品をいうのであるが、
当該範囲内の金品に該当するかどうかの判定に
当たっては、次に掲げる事項を勘案するものとする。
(1)その支給額が、その支給をする使用者等の役員
及び使用人の全てを通じて適正なバランスが保たれている
基準によって計算されたものであるかどうか。
(2)その支給額が、その支給をする使用者等と
同業種、同規模の他の使用者等が一般的に支給している
金額に照らして相当と認められるものであるかどうか。

日当を支給する条件としてよく
「出張旅費規程があること」が挙げられますが、
出張旅費規程がないから日当が
否認されるわけではありません。

ただし、上記通達における「適正なバランス」
がとれており、税務上問題にならない規程通りに
支払っているからこそ日当が非課税になることから、
税務調査では出張旅費規程があることを
前提に進むことになります。

また、勘違いされている方も多いようですが、
日当は「日帰り」でも支給対象となります。

この場合、具体的には「日帰りであっても
外出中であることから外食しなければならない」
ことに対する実費弁償となります。

実際に税務署(調査官)も、税務調査
(日帰り)に対して日当を支給しています。

なお、税務署内の話ではありますが、
日当額は給与水準によって細かく相違し、
かつ調査先(税務署からの距離)によっても
金額が相違します。

上記通達でも「その旅行の目的、目的地、
行路若しくは期間の長短、宿泊の要否」と
していることから、下記の区分によって
日当を決めることは問題ありません。

〇日帰りと宿泊の区分
(宿泊の方が高い日当設定)

〇距離別の区分
(遠い出張の方が高い日当設定)

〇役職別の区分
(給与が高い方が高い日当設定)

日当については、「同業種・同規模」と
比べるのは難しいため、最低限でも規程を準備し、
かつ社内の「適正なバランス」を整えることで、
調査で否認されにくくなります。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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