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2021.10.26

相続税調査:贈与時効か相続財産か?(後半)

※2020年6年7月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

先週水曜の本メルマガから引続き、
相続税における税務調査で問題になりがちな
「(生前)贈与が成立しているのか」または
「相続財産に含めなければならないのか」
について解説します。

なお、贈与成立か相続財産に含めるかは
あくまでも事実認定の論点となりますので、
「この要件さえクリアすればOK」とは
なりません。下記要件等の総合勘案です。

判断要素を大別すると、下記の2つに
分けることができると考えます。

【1】諾成契約の成立

【2】財産の名義変更・処分・収益認識

まず上記【1】ですが先週のメルマガでも
解説した通り、贈与は「双方」が贈与と
認識している必要がある(諾成契約)
ことから、税務署が重視することに

(1)贈与税申告があること

(2)贈与契約書があること

が挙げられます。

贈与申告さえあれば贈与が法的に成立した
とは断言できないわけですが・・・

法人調査における外注か給与かの論点と同じで、
外注先が事業所得で申告していれば
外形的な判断要素として外注費と
判断されやすい、という論法です
(少なくとも、相手方が外注費と
認識しているという事実にはなる)。

また上記【2】ですが、下記の
法律解釈から解釈できます。

民法第206条(所有権の内容)
所有者は、法令の制限内において、
自由にその所有物の使用、収益及び
処分をする権利を有する。

贈与を受けた金銭について、例えば
受贈者が上場株式の購入・管理・運用を
しており、かつ売却・配当等について
受贈者が申告等をしている場合、
「その所有物の使用、収益及び処分をする
権利を有」していると考えられることから、
贈与成立の1つの判断要素となるでしょう。

また、子供や孫の成人・就職・結婚を機に
名義・住所・印鑑を変更した場合、
受贈者が意思をもって名義変更等を
していることから、同様に贈与成立と
判断できる要素となります。

以上から、

(3)(意思をもって)名義変更等をした

(4)利子・配当等の収益を申告している

(5)受贈者が財産処分している

などの場合は贈与成立と判断できます。

まとめると、上記(1)~(5)の各事実が
(生前)贈与成立の要件となり得て、
かつ総合勘案となるわけです。

全ての事実が揃っている調査事案は
少ないと思いますので、税務調査では
有利な・主張できる事実・判断要素を
主張することになります。

また、上記は「贈与成立」の観点から
解説していますが、贈与と認定された
方が不利な場合もありますので、
相続財産と主張するためには上記要件の
逆を主張することになります。

上記各要件が全てではないにしても、
判決・裁決等では重要視されていますから、
ぜひ参考にしてください。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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