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2014.11.28

調査官と戦う優秀な税理士とは?

今回のテーマは、『是認率の高い税理士・会計事務所』です。

先日のブログで税務調査における申告是認率について書きました。

全体としてみると20%前後の申告是認率も、個別に考えてみると税理士によって違うものでしょう。

税理士・会計事務所のサイトを拝見させていただくと、
ごく稀に「税務調査での申告是認率80%超!」
など明記している事務所があるくらいですから。

さて、元国税調査官の私から考える「是認率が高い
税理士・会計事務所について」書いていきます。

調査官が税務調査に入って関与先がかわいそうだな、
と思うのは実は2パターンあるのです。

1つ目は税理士の対応が悪いがために
追徴税額を余分に払わされるケース。

税理士が勝手に処理を間違っていた場合や、
税理士が交渉すれば非を認めずに済んだ場合。

このケースは調査官も「関与先がかわいそう」と思いながらも、
税務調査としては楽で内心喜んでいます。

2つ目が税理士に余計な税金を払わされている
ことに気付かず、申告是認で喜んでいるケース。

税務調査に入ると驚くほど余分に納税している場合があります。
何せ全てを保守的に税務処理しているんです。

こんな法人に税務調査に入れば調査官は
何も指摘できないので申告是認にせざるを得ないのですが、
その反面関与先は税理士に騙されているな、と思うわけです。
追徴税額を払った方がだいぶ安いんじゃないの!?と。

関与先はあるべき所得・納税金額がわからないので、
税理士から言われて、高いなと思いながらも
それが適正とだと思い込まされているのです。

税理士の税務調査に対する正しい考え方は、
全てを申告是認にすることではありません。

全ての関与先で申告是認なんて目指してしまったら
関与先が余分な税金を払わないといけないのですから。

優秀な税理士とは、グレーゾーンの部分は経営者に、
税務調査で指摘されるリスクを説明、理解していただいたうえで、
実際に税務調査で問題になった際に、調査官と戦う税理士なのです。

こうしておけば、戦った末にたとえ否認になったとしても
関与先も納得できるというものです。

税理士が税務調査で身につけるべきスキルは、
税務調査に入られにくくする工夫と、
税務調査でグレーゾーンの指摘を受けたときに
できる限り追徴税額を少なくする交渉力なのです。

この点は全ての税理士にわかってもらいたいと思います。

 

※2010年9月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
ご注意ください。

また、ブログの内容等に関する質問は、
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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