• HOME
  •  › ブログ
  •  › 税理士に事実の一部を伝え漏れたら重加算税なのか?
2021.09.30

税理士に事実の一部を伝え漏れたら重加算税なのか?

※2020年2月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

個人の確定申告業務が佳境に入りました。
特にこの時期は年1・スポットの申告依頼で、
情報のやり取りがうまくいかないことがあります。

法人のように、継続的な関与をしているのであれば
漏れていた資料等があっても把握できるということも、
年1・スポットの依頼であれば税理士・会計事務所が
把握できないケースも多くあります。

例えば、

・個人事業の口座1つが丸々漏れていた

・譲渡所得の資料が一部しかないまま
措置法など特例の適用を受けた(判断誤り)

というようなケースで、これらは相続税申告で
あれば実務上よく起こる「伝え漏れ」です。

このようなケースで、税務調査において
漏れや適用誤りが発覚した場合に、
隠ぺい行為と事実認定され、重加算税と
指摘される場合が多いです。

実際に、直近の公開裁決事例を見ても、
納税者(関与先)が税理士に事実関係の一部しか
提出しなかった、もしくは誤認・誤解したまま
資料を誤って提示し、重加算税が課されて
争った事例が多くあります。

その典型的な事例として「譲渡した土地の全てに
居住用財産の譲渡所得の特別控除を適用できる
ものと誤解し、確定申告をした可能性があると
いわざるを得ず、当初から所得を過少に申告する
ことを意図していたと認めることはできないとして、
重加算税の賦課要件を満たさないと判断した」
下記の裁決事例があります。

平成30年9月27日公開裁決事例
http://www.kfs.go.jp/service/JP/112/02/index.html

また、相続税申告の事例としては、
「各共済契約に係る権利及び出資金を相続財産
として申告しなかったことについて、相続税を
当初から過少に申告することを意図し、
その意図を外部からもうかがい得る特段の行動を
した上、その意図に基づく過少申告をしたもの
とは認めることができない」とした事例もあります。

平成30年10月2日裁決公開裁決事例
http://www.kfs.go.jp/service/JP/113/02/index.html

どちらの裁決事例も納税者の誤解・誤認であり、
また税務調査では事実関係をそのまま答弁するなど、
隠ぺいする意図が見られないとして、
重加算税の取消しとなっています。

同じように、個人事業主の口座1つが漏れていた
事例については、下記のメルマガで
過去にも取り上げたことがあります。

「税理士の関与度合いが低い重加算税事案」

どれも重加算税が取り消されてはいますが、
税理士・会計事務所と納税者の意思疎通が
うまくいかない中での申告であることは
間違いなく、また税務調査では
重加算税を課されたことは事実です。

顧問先・関与先が粗いことが想定される場合、
また誤認・誤解を生まないように、
相手方の認識をきちんとヒアリングすること、
さらに確認は何度か行った方がいいでしょう。

税理士・会計事務所あるあるの話といえ、
納税者から「税理士の説明が悪かった」
と言われるリスクも確実にあります。

ぜひ、注意してください。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

毎週水曜日に配信する『税務調査対策のメールマガジン』では、最新の税務調査事情はもちろんのこと、調査官の心理、税務署のウラ側など元国税調査官だからこそ語れるマニアックなテーマまでをお届けします。
「こんなことまで話して本当に大丈夫ですか?」 と多くの反響を頂く税理士業界では話題のメルマガです。
お名前とメールアドレスを登録するだけで 毎週【 無料 】でメルマガを配信いたします。