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2022.11.11

反面調査に関する規定はほぼ無い

※2021年11月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

毎週金曜の本メルマガでは、税務調査を体系的に
理解する内容を連載で解説していますが、
今回は「反面調査」に関して解説をします。

金曜の本メルマガではすでに、反面調査については
質問検査権の対象者として規定されている
(国税通則法第74条の2第1項二号等)
ことについて解説してきました。

私も反面調査に関する質問をよく受けるのですが、
そもそも反面調査に関しては、上記の質問検査権
以外の法令もしくは通達規定がほぼ無いことから、
その適正性を問うことはかなり難しいです。

あまり参考にならないかもしれませんが、
数少ない規定を載せておきます。

「調査手続の実施に当たっての基本的な
考え方等について(事務運営指針)」

第2章 3(6)反面調査の実施
取引先等に対する反面調査の実施に当たっては、その
必要性と反面調査先への事前連絡の適否を十分検討する。
(注)反面調査の実施に当たっては、反面調査である旨を
取引先等に明示した上で実施することに留意する。

「税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)」
問23 取引先等に対する調査を実地の調査として
行う場合には、事前通知は行われないのですか。
(答)
税務当局では、取引先など納税者の方以外の方に
対する調査を実施しなければ、納税者の方の
申告内容に関する正確な事実の把握が困難と
認められる場合には、その取引先等に対し、
いわゆる反面調査を実施することがあります。
反面調査の場合には、事前通知に関する法令上の規定
はありませんが、運用上、原則として、あらかじめ
その対象者の方へ連絡を行うこととしています。

このように、反面調査については
「反面先に対して事前通知を行うのか」しか
規定はありませんが、税務調査の現場において
反面調査に対して(実施前に)反論する論拠は
「反面調査の必要性」しかありません。

今年4月30日に配信した本メルマガ
「税務調査の理由や必要性を問うべきですか?」
でも触れましたが、反面調査の要件は
「調査について必要があるときは」になります
(国税通則法第74条の2等)。

本来的に反面調査とは、納税者が資料を残していない場合や
資料等に信憑性がない場合など、反面調査を実施しなければ
被調査対象者の正しい所得等を把握できない、
いわば「補完調査」と位置付けられています。

税務調査で資料等を適正に提示しているにもかかわらず、
「反面調査に行きます」と言われた場合は、
「その必要性がないですよね?」と問うことが大事です。

一方で、反面調査を実施された後になって
調査官に抗議をしても、ほぼ意味は無いでしょう。
これに関しては、下記の記事を参照してください。

「反面調査に釘を刺す」

反面調査に関する規定はほぼ無いことから、
「行かせないように必要性を問う」
「行かれたら負け」と考え、対応が必要になります。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

著者情報

久保憂希也

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