輸出免税におけるアンダーバリュー取引の問題
※2025年4月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社KACHIELの久保憂希也です。
昨今は海外取引の活発化にともなって、
輸出免税=還付申告に対する税務調査が増えましたが、
今回はいわゆる「アンダーバリュー取引」について。
アンダーバリュー取引とは、
・実際の売買価額(インボイス記載額)よりも
低い金額で輸出をする
・取引先=輸出相手方の関税負担を抑えるために
相手方から要請されて応じる行為
・実際の決済金額はインボイス記載額ですから、
国内の輸出者はアンダーバリューに応じがち
というもので、現実的にはアンダーバリュー取引に
応じなければ相手方から取引を切られる
ケースもあり、税理士・会計事務所が把握していない
=税務調査で発覚することが多いです。
※本ブログの主旨から、関税法違反や
輸出品の保証額が低くなる問題などを論点から外し、
消費税=輸出免税の論点だけにフォーカスします
まず、輸出免税の適用を受けるためには、
消費税法上で免税とされる輸出取引に該当するのは
当然のことながら、その取引が輸出取引等である
証明(書類・控え等)が必要となります。
保存すべき輸出証明書等の各区分については、
下記国税庁サイトに一覧化されています。
国税庁タックスアンサー「No.6551 輸出取引の免税」
免税の適用を受けるための証明
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6551.htm
なお、令和3年度税制改正によって、
令和3年10月1日以後の取引における
「20万円以下の郵便物」は下記のとおりに
改正されていますので注意してください。
「消費税法改正のお知らせ」(令和3年4月 国税庁)
2 郵便物として輸出した場合の輸出証明書類の見直し
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/r03kaisei.pdf
裏を返せば、各区分に応じた輸出証明書等が無い
場合は、輸出免税が適用されないことになります
(消法7(2)、消規5、措規36(1)、
消基通7-2-23)。
実務上最も多いアンダーバリュー取引は、
●売買価額(インボイス記載額)が20万円超
=
本来は「輸出許可書」が必要となる
●20万円以下でEMS郵便物として輸出
=
EMSの控えはある
●実際には20万円超で決済(送金)されている
というもので、税務調査においては
「20万円超の取引なのでEMS控えでは
輸出免税が認められない」と否認指摘を
受けることになります。
この点に関しては、税理士・会計事務所としては
顧問先にアンダーバリュー取引がないかを確認、
もしくは20万円超の輸出取引において
EMS(か小包郵便)が利用されている場合、
顧問先に対しては「アンダーバリュー取引を
すると輸出免税にならず否認されるリスクがある」
ことを事前に説明しておく必要があるでしょう。
特に、アンダーバリュー取引については
国内輸出者がリスクを認識せずに応じている
ケースが多いのでアナウンスが必要なのです。
次回の本ブログでは、公開裁決事例から
アンダーバリュー取引のリスクについて
さらに掘り下げて解説していきます。
※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。
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