2023.01.27

※2022年1月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

税理士法人レディングの木下でございます。

前3回は、
2022年(令和4年)4月1日施行となる
「成年年齢引き下げ」による税務(資産税)
の影響を確認しました。

今回は、
前回に取り上げた「住宅取得等資金贈与」につき
「令和3年度確定申告での注意点」
を確認していきます。

まずは、国税庁HPで公表されている
チェックリスト(新築又は取得:名古屋国税局)
をご覧ください。
https://www.nta.go.jp/about/organization/nagoya/topics/tokurei/pdf_r03/05.pdf

このチェックリストの中から
注意点を数点ピックアップします。

No.2:受贈者の年齢要件

成年年齢の引き下げの法施行後は影響を受けます。

No.5:合計所得金額2,000万円以下要件

昨今、暗号資産などにより所得が激増している
ケースもあるため、確定申告時には
しっかりと確認書などのエビデンスを
入手しておくことが望ましいと考えます。

No.6:取得期限及び居住期限

令和4年3月15日までに取得(棟上げ含む)し、
令和4年12月31日までに居住見込みが必要です。
棟上げが完了している場合には、
確定申告時には、以下の書類を添付してください。

(1)新築に準ずる状態(棟上げ)にあること

https://www.nta.go.jp/about/organization/nagoya/topics/tokurei/pdf_r03/07.pdf

(2)新築後、遅滞なく居住の用に供すること等

https://www.nta.go.jp/about/organization/nagoya/topics/tokurei/pdf_r03/08.pdf

また、取得制限及び居住制限については
コロナ特例の適用可能性が残りますので
慎重な判断が求められます(問13)。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/faq/04.htm#q4-13

No.7:特別関係者からの敷地取得ではない

No.10:特別関係者からの新築又は取得でない

この場合の特別関係者とは
あくまで「個人」であり「法人」は含まない。
つまり、土地売買や請負契約の相手方が
同族会社であれば、要件を満たすことになります。

No.8:受贈者=建物所有者

この場合の建物所有は共有持分を含みます。
そのため、受贈した資金を敷地取得のみに
充当した場合には、要件を満たさない。

+α
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)と
住宅取得等資金贈与との関係

平成30年6月の会計検査院の指摘により
明るみにされた計算誤りとなります(ケース1)。
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2018/oshirase/index.htm#case1

つまり、住宅ローン控除における
家屋の取得価額等の計算上、
住宅取得等資金贈与特例を受けている場合には
当該受贈額を家屋の取得価額等から
控除する必要があります。

これを受けてタックアンサーQ1でも
同様のQ&Aが記載されております。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1213_qa.htm

また、タックスアンサーと同様に
質疑応答事例にも同様の記載があります。
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/sozoku/17/08.htm

ただし、上記については、住宅ローン控除の
チェックリストには記載されていませんので、
確定申告時には、ご注意ください(名古屋国税局)。
https://www.nta.go.jp/about/organization/nagoya/topics/tokushu/pdf/kojo01.pdf

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

著者情報

木下勇人

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