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2024.03.29

重度の認知症罹患により実行不能となる法律行為2

※2023年4月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

税理士法人レディングの木下でございます。

今回のテーマは
「重度の認知症罹患により実行不能となる法律行為2」です。

前回と同様のテーマですが、もう少し違うケースを
扱ってみたいと思います。

前回は以下のケースを取り上げました。
1.遺言を書くことができない。
2.遺言を書き換えられない。
3.金融機関との取引ができない。
4.生命保険の契約等ができない。

今回は以下を想定します。
1.養子縁組ができない。
節税対策で養子縁組をすることは実務上
多くの場面で採用されますが、養親側が
重度の認知症の場合には、養子縁組をする
という意思表示ができないことになります。

2.養子離縁ができない。
例えば、長男の妻と養子縁組していた場合に
長男夫婦が離婚したとします。その際に
養親側が重度の認知症である場合には、
養子である長男の元妻と養親との養子
離縁が成立できないことになります。

3.贈与契約ができない。
贈与契約そのものができなせんので、
課税関係としての暦年課税・相続時精算課税、
各種特例贈与は全て実行不可となります。
現金・不動産・自社株等の贈与は
実行不能となりますので、事業承継税制を
使っての贈与も実行不可となります。

4.自社株の売却ができない。
会社をM&Aしたい場合であっても、重度の
認知症であれば、譲渡するという意思を
表示することができません。
実際にM&Aに応ずるには、後見制度や
民事信託などを生前に活用しておく
必要があります。

5.民事信託契約や任意後見契約ができない。
上記でも触れましたが、重度の認知症と
なってしまうと、財産管理としての手段は
法定後見制度を活用する他ありません。

6.議決権行使ができない。
重度の認知症となれば、取締役会や株主総会
での議決権行使ができなくなります。

例えば、100%株主が重度の認知症となった場合
議決権行使ができないばかりか、そもそも
定足数も満たせない状況になります。

また、取締役会は1人1議決権ですが、
そこでの議決権行使も当然できなくなります。

以前は、取締役が成年後見人となった場合、
つまり後見人が就いた場合には、取締役は
欠格事由に該当するため、取締役の地位を
失うことになっていました。

しかしながら、令和元年12月4日に会社法
が改正され、成年被後見人や被保佐人は
取締役の欠格事由には該当しなくなりました
ので注意が必要です。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

著者情報

木下勇人

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