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2021.10.22

重加算税が少額不徴収でもデメリットはある

※2020年4月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。
今回は税務調査でよくある、重加算税の
少額不徴収(免除)の問題点を解説します。

まず、全ての加算税は「5,000円未満」の場合、
少額不徴収(免除)になります
(国税通則法第119条第4項)。

これは、増差税額(本税)が1万円未満の
端数切捨てになることと同じで、あくまでも
端数計算の問題であって、加算税自体は
課されていることになります。

話がややこしいので、繰越欠損金がある法人に
税務調査が入り、修正申告にはなったものの
繰越欠損金の範囲内でおさまった場合を考えます。
ただし、増差所得は「仮装・隠ぺい」とされ、
重加算税の対象となるケースです。

この場合、増差所得は発生する
(繰越欠損金が減少する)ものの、
増差税額(本税)は0円ですので、
重加算税35%を掛けても0円です。

これは、「納付すべき加算税の額」が
5,000円未満であることから少額不徴収(免除)
であるだけであって、税務署内では
重加算税を課した履歴として残ります。

上記は繰越欠損金があって増差税額が
発生しないケースで解説しましたが、
増差税額が少額になりがちな消費税や
源泉所得税でも同じです。

35%を掛けて5,000円未満になる場合、
「少額不徴収で重加算税はかからない」
と調査官は言うものの、それは
「納付する重加算税が無い」という意味であって
重加算税にはなっているということです。

税務調査で重加算税が課される具体的な
デメリットについては下記をご覧ください。

「重加算税が賦課される4つのデメリット」
重加算税が少額不徴収であっても、
上記4つのうち、少なくとも2つの
デメリットは考えなければなりません。

●加重措置

5年以内に重加算税が課されていた場合、
以後の税務調査で重加算税が課されると
10%の上乗せ(45%)になります。

●税務調査の頻度が上がる

法人の場合は、重加算税を課されると
「第3グループ」に分類され、以後は
税務調査の頻度が上がるリスクがあります。

ですから、調査官が言う
「少額不徴収で重加算税はかからない」
には要注意で、結局重加算税とされる
のであれば、重加算税に対する
根本的な反論が必要ということです。

この質問・相談は実際に多いので、
ぜひ注意してください。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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