• HOME
  •  › ブログ
  •  › 税務署への事前照会手続き
2021.08.27

税務署への事前照会手続き

※2020年1月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

年が明け、年調・法定調書・償却資産の提出から
個人の確定申告へと繁忙期に入りました。

顧問先の確定申告に関して、昨年の取引等で
すでに税務処理に悩んでいる税理士・会計事務所も
多いのではないでしょうか。

書籍等で調べても適切な税務処理の判断が
つかない場合、税務署に対して照会をかけようと
するケースもあると思います。

税務署に対する個別照会の制度については、
下記のようにまとめられます。

「個別の取引等に関する照会について」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/sodan/kobetsu/index.htm

一般的には、事前に予約したうえで
税務署の窓口で相談・照会をかけるケースが
もっとも手軽に活用される制度でしょう。

これは、税務署職員による口頭での
照会・回答になりますので、確定的な判断が
必要となれば、文書回答手続きをすべきです。

「事前照会に対する文書回答手続」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/sodan/kobetsu/bunsho/01.htm

文書回答手続きを利用する場合に
問題になるのは、要する期間でしょう。

下記の国税庁サイトにもありますが、
「受付窓口で受け付けた日から原則
3か月以内の極力早期(審査に必要な
追加的資料の提出や、照会文書の補正に
要した期間を除きます。)」とあり、
今から照会をかけても確定申告期限に
間に合わない可能性もあるということです。

「税務上の取扱いに関する事前照会に対する文書回答について」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/sodan/kobetsu/bunsho/gaiyo01/01.htm

ただし「おおむね1か月以内に、それまでの
検討状況から見た文書回答の可能性、処理の
時期の見通し等について、口頭で説明します」
とありますので、正式な文書回答は遅くても、
税務判断の内容は把握できるかもしれません。

なお、そもそも事前照会の対象になるのか
という点も重要で、照会したが受け付けて
くれなかったということもあります。

文書回答を行う対象となる事前照会の範囲
としては、下記に注意が必要です。

〇申告期限前の照会であること
⇒ 申告期限後は照会対象となりません

〇仮定(~したなら)は照会対象になりません
⇒ すでに起こっている事実のみが照会対象です

〇金額の妥当性や評価については照会対象になりません
⇒ 相続の評価や、退職金の適正金額などは
照会対象になりません

「ご存じですか?文書回答手続(平成30年4月)」
httpswww.nta.go.jplawbunshokaitobunsho_besshi.pdf

上記の制度とその範囲を把握したうえで、
事前照会を活用するか検討すべきでしょう。

さて、今回は事前照会制度の概要解説でしたが、
次回はそもそも「事前照会をすべきか?」
について解説したいと思います。

本年も引続き、よろしくお願いいたします。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

毎週水曜日に配信する『税務調査対策のメールマガジン』では、最新の税務調査事情はもちろんのこと、調査官の心理、税務署のウラ側など元国税調査官だからこそ語れるマニアックなテーマまでをお届けします。
「こんなことまで話して本当に大丈夫ですか?」 と多くの反響を頂く税理士業界では話題のメルマガです。
お名前とメールアドレスを登録するだけで 毎週【 無料 】でメルマガを配信いたします。