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2022.03.25

あえてコロナ禍に調査を受けた方がいい理由

※2021年3月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

4月15日まで個人の確定申告期限が延びたことにより、
税務調査もそれまで新規着手をしないことを、
税理士会を通じて連絡している地域も多いようです。

こういう時期ですから、この時期は(3月下旬~4月上旬)は
4月16日以降の調査に関する事前通知が一気にきます。

ただ、昨年からコロナ禍である事情は変わりませんので、
事前通知の際にはまず、調査先(顧問先)の

・コロナ感染症対策の有無
・税務調査を実施するスペースの有無
・直近の業況

などをヒアリングされ、最終的に税務調査を
実施していいのかの確認がなされることになります。

この段階で、「コロナによる業況悪化で税務調査を
受けているどころではない」「社長が高齢のため
感染リスクが高い」など、断った方がいい場合は、
その旨をきちんと伝えるべきでしょう。

ただし、コロナ感染者がいる等、税務調査が実施できない
理由が明確ではない場合、調査官も

・午前中をヒアリングのみにして、帳簿書類を
持ち帰らせてください(留置き前提での調査実施)

・顧問先で隔離された調査のスペースがない場合は
税務署で調査を実施させてください

など、食い下がってくるケースも想定されます。

コロナ禍を理由に、現時点での税務調査を断った場合、
税務調査が「今回は」中止になったとしても、
それは実質的に【延期】になる場合が多いです。

税務署としても、いったん選定した調査先ですから、

・前回から調査期間があいている

・資料せんなどで確認したい項目がある

など、これからしばらくは調査に入らないという
方針ではなく、コロナ禍が収束してくれば
また調査の連絡が来ると考えるべきです。

このような事情を考えると、急激な業況悪化などを除けば、
あえて今の時期に税務調査を受けておく方が得策という
顧問先も多いのではないでしょうか。

理由は大きく2つあります。

●コロナ禍のなかで現地・現物確認をしにくい状況

●6月に国税の事務年度が終了することから、
4月下旬~5月に調査が開始になっても、
長引いても6月上旬~中旬には調査が終わる

ということから、税務署(調査官)もこの時期にそれほど
深度ある税務調査を実施できるわけではありません。

また、調査官もコロナ感染リスクを理由に
税務調査の件数をこなせないという事情もありますので、
あえてこの時期に調査を受け、協力的な姿勢を見せることで、
調査の落しどころを交渉しやすいこともあります。

むしろ、今回の調査を断り、コロナ禍が収束した
来年などに税務調査を実施された方が、
調査期間が長く、反面調査を含めた深度ある
調査をされて困る顧問先もあるはずです。

このあたりは非常に機微が必要なところで、
顧問先の意向も強く関わってくる部分ではありますが、
「今断って、あわよくばそのまま調査が無くなれば」
とはならないことが多いので、総合的に判断してください。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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