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2023.05.26

税務調査終盤における重加算税の対応

※2022年6月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

毎年のことなのですが、5月下旬頃から
今時期(6月上旬)は重加算税に関する
質問・相談が増えることになります。

これは、国税でいう下期(1~6月)の終盤で、
調査官側からすると仕掛中の調査を終える時期、
納税者(税理士)からすると7月に繰り越すと
担当調査官が変わることで仕切り直されると
より面倒になる可能性があることから、この時期に
重加算税を受け入れるべきか迷うからです。

つい先日、質問・相談があった調査実例を
紹介しましょう(内容は簡素化しています)。

・法人社長の個人口座に取引先から入金あり

・取引先と飲食した際に割り勘分を個人口座で
受取り、全体の支払をこの社長が行っていた

・支払総額の領収書を法人で経費計上
(本来であれば自己負担分だけが経費)

・調査官は個人口座への入金分が役員賞与で、
かつ重加算税と指摘

実はこの前段階で、別途の経費について
私的な支出として否認指摘されていましたが、
調査官が指摘を取下げるというやり取りがあり、
この指摘事項はグレーのままという経緯です。

このような事情がある場合において、
重加算税の反論を真っ向からすると、

●いったん取下げされた否認指摘が
再度否認の対象になり得る(ぶり返し)

●誤りは事実であることから修正申告には
応じるが、重加算税を賦課されてしまうと、
その部分には納得できない(不服申立てか)

●反論を続けるなかで6月中に結了しない場合
7月に持ち越した方が不利ではないのか
(再度全体が調査対象になるなど)

などの懸念が出てくるわけです。

まず、この調査事案における重加算税ですが、
率直にいって反論可能~調査官も反論されれば
重加算税を賦課できないものと推察はします。

前提事実から考えるに、飲食代全額を
法人経費として計上したことは、社長の
勘違い・ミスの類であり、調査官からすると
仮装(隠ぺい)行為と認定しづらいでしょう
(前提として割り勘に個人口座を利用したのは
入金確認がすぐできるなどの事情はある)。

個人的な見解としては、重加算税を賦課するには
調査官も「質問応答記録書」など、事実認定に
有利な材料が必要となるケースだと思います。

一方で、この時期(6月上旬)に反論するのが
本当に顧問先(納税者)にとって得策なのかは
非常に難しい判断と言わざるを得ないでしょう。

特に、重加算税が賦課された場合、
納得できないとして不服申立てをする意向が
あったとしても、本調査事案では重加算税の
額が数万円でしょうから、労力などを考えれば
実質的には不服申立てはしないはずです
(結果として重加算税を賦課されれば泣き寝入り)。

このような調査事案では、結局のところ
顧問先(納税者)に対して、調査官に反論する
メリットとデメリットをきちんと説明したうえで
顧問先の判断に委ねるべきでしょう。

まず、重加算税を受け入れるデメリットは、
どのような調査事案でも下記の4つになります。

「重加算税が賦課される4つのデメリット」

さらに本調査事案では、デメリット(リスク)
として、否認指摘項目が増える(本税が増える)
リスクを加味・説明すべきです。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

著者情報

久保憂希也

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