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2021.11.12

交際費課税:リベートの相手方を明かせない場合の対応4

※2020年10月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

リベートの相手方を明かせない場合の
税務調査対応についてシリーズで解説して
いますが、今回は「重加算税」です。

リベートの支払相手方を明かさない場合、
税務調査では「隠ぺいに該当することから
重加算税になります」と指摘される
ことがほとんどかと思います。

しかし、結果としては同じなのですが、
支払った相手方を純粋に(ウソではなく)
わからない・覚えていない場合であれば、
使途不明金になり、費途不明の交際費
として損金不算入になるだけであって、
重加算税は課されないでしょう。
隠ぺい行為がないからです。

では、あえて相手方を明かさなければ
重加算税が課され、相手方を忘れていれば
重加算税が課されないのでしょうか?

重加算税を定める事務運営指針には、
使途不明金(=費途不明の交際費)や
秘匿金に関する規定があります。

「法人税の重加算税の取扱い
について(事務運営指針)」

2(使途不明金及び使途秘匿金の取扱い)
使途不明の支出金に係る否認金につき、
次のいずれかの事実がある場合には、当該
事実は、不正事実に該当することに留意する。
なお、当該事実により使途秘匿金課税を行う
場合の当該使途秘匿金に係る税額に対しても
重加算税を課すことに留意する。
(1)帳簿書類の破棄、隠匿、改ざん等があること。
(2)取引の慣行、取引の形態等から勘案して
通常その支出金の属する勘定科目として計上
すべき勘定科目に計上されていないこと。

このように、相手方を明かさない
使途不明金や使途秘匿金であっても、
何か積極的に「仮装・隠ぺい」行為を
行っていない限りは、重加算税を
課さないと規定されているのです。

これも考えてみれば当然で、事業上
支出した事実が明確である以上、
単に相手方を明かさないという行為は
取引全体を仮装・隠ぺいしたことには
なりませんから、重加算税の賦課要件を
満たしていないということです。

ですから、税務調査で
「相手方を明かさない=重加算税」
と指摘された場合、事務運営指針の
規定から反論可能なのです。

なお、費途不明の交際費と主張しても
税務署は反面調査等により相手方を
追求することができます。

これは、費途不明の交際費規定が
相手方をかばう代替課税ではない
からなのですが、これについては
下記の記事をお読みください。

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一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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