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2015.07.03

バーターで重加算税にした本当の結果

一昨日名古屋にセミナー講師として招かれました。
そのセミナーの中では、私にとっては「ベタ」なコンテンツを
お話しさせていただいたのですが・・・反響が凄かったです。

国税の論理を体系的に話すセミナーは
一通りやったと判断していましたが、
今年は再度全国行脚をする必要があるかな、と感じました。

さて、このセミナーで寄せられた質問から今回のブログを書いてみます。

まずセミナーにおいて私が話した重加算税の内容(一部)はこうです。

①調査官は重加算税の賦課率(内部では「不正発見割合」と呼ぶ)
 でも評価されているから、重加算税を無理やりでも課したがる

②重加算税を課す根拠が弱いときは「一筆入れてください」と言い出す
 (俗にいう「一筆ジューカ」)

③重加算税の要件をよく知らないから税理士は反論しないことがほとんど
 (これは法律論は当然、国税側の論理も含む)

④結果として不正発見割合は、法人で20%前後になっている
 (私の感覚では5%程度が妥当な割合のはず)
これらのセミナー内容を踏まえたうえで、このような質問がありました。

「確かに久保さんの言うように、ついこの間も
一筆入れさせられて重加算税になりました。
しかし、重加算税を交渉の対象にすることもあり得ますよね?
例えば、5つ否認指摘の項目があって、調査官の方から
「3つ取り下げるから2つで修正申告して重加算税にしてくれ」
と言われたら、純粋に附帯税まで含めた納付税額が少なくなります。
それなら調査官の主張を採用していいんですよね?」

このような調査官の持ちかけは普通にあります。

A 本税:100万円 + 過少申告加算税10%

B 本税:50万円 + 重加算税35%

(延滞税は除斥期間の計算が面倒なのでやめておきます)
の2択を持ちかけられたら、納税金額が少ないBを
「安易に」選択したい気持ちはわかります。

しかしこの選択を無条件にするのは下記の事実を知らないからでしょう。

税務調査で重加算税が課されると「第3グループに転落」します。

KSKは法人を第1~3グループに区分けしていて、
通常の法人は規模によって1か2に分かれます。

しかし、過去に重加算税が課されるなど、「将来にわたって
税務調査を頻繁に行うべき」法人として
第3グループがあり、そこに区分けされてしまうのです。

簡単に言ってしまうと、重加算税を一度課されたら
以後税務調査に入られやすくなる、ということです。

ちなみに、第3グループに区分されると、以後は
3~4年に1度のペースで税務調査をするのが原則です。

また、一度第3グループに区分された法人は、
7年を超えても通常の1or2グループに戻りません。
(少なくとも私は知りません)

過去に「仮装・隠ぺい」をした法人ですから
税務署からすれば当然の管理ともいえます。

まさか、その重加算税が「バーター」とは残るわけがありません。
重加算税の課税事績は重加算税なのです。

そこまでわかったうえで、重加算税を交渉の材料に
使うことをおすすめします。

調査官は税務調査後のことなど関係ありませんから、
その時は好き放題言うでしょう。

しかし、税理士としては顧問先と長く付き合うのを
前提にして判断を下さなければならないのです。

 

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

2013年2月の当時の記事であり、以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

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