2016.06.02

今年の改正:調査手続き

※2015年1月の当時の記事であり、以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

今回の改正内容では、税務調査の手続きに関しては
1つだけ改正が決まりましたので解説しましょう。
(正確にはもう1つ、事前通知の改正がありますが、
こちらは単純なので省略します)

※「平成27年度税制改正大綱」121ページ

該当する条文(改正前)は、下記になります。

国税通則法第74条の11第6項(調査の終了の際の手続)
第1項の通知をした後又は第2項の調査の結果につき
納税義務者から修正申告書若しくは期限後申告書の提出
若しくは源泉徴収による所得税の納付があつた後若しくは
更正決定等をした後においても、当該職員は、
新たに得られた情報に照らし非違があると認めるときは、
第74条の2から第74条の6まで(当該職員の質問検査権)
の規定に基づき、当該通知を受け、又は修正申告書若しくは
期限後申告書の提出若しくは源泉徴収による所得税の納付をし、
若しくは更正決定等を受けた納税義務者に対し、
質問検査等を行うことができる。

いわゆる「再調査」の規定で、一度調査をした年分は、
「新たに得られた情報に照らし非違があると認めるとき」
でなければ、再度調査することができない旨を定めています。

現時点では、前回が「調査」であることのみを
要件としていますが、改正後は、前回調査の範囲を
「実地の調査」に限ることになります。

言い方を変えると、前回が「実地の調査でない」調査
であれば、新たに得られた情報等がなくても、
再調査できる、と改正するわけです。

何だかややこしいのですが・・・
「実地の調査」とは、法令や通達で明確な定義は
ありませんが、改正に際して発表された税調資料によると、
「納税者の事業所等に臨場して行う調査をいう」
と規定されています。

つまり、「調査=質問検査権の行使」は大別すると、
「実地の調査」と「実地の調査以外の調査」
があるというわけです。

この区分は改正前から認識されていて、例えば、
「税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)」
には下記のように書かれています。

http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h24/nozeikankyo/ippan02.htm

【問20】実地の調査以外の調査が行われる場合には、
調査の対象となる税目・課税期間や調査の目的等
についての説明は受けられないのですか。

【回答】税務当局では、実地の調査以外にも、
税務署にお越しいただいて申告内容を確認する
などの方法で調査を行う場合があります。
(以下、略)

同じ質問検査権の行使で(税務)調査であっても、
調査官が事業所にいけば「実地の調査」で、
納税者が税務署に行って終われば
「実地の調査以外の調査」に分類されるというわけです。

今まで、ほとんど区分していなかったと思いますが、
以後の改正を考えると、区分が必要になります。

例えば、確定申告をした後、扶養人数が
誤っていることを税務署から指摘され、
税務署に行って修正申告書を提出。

この行為は、行政指導であれば加算税は
課されませんが、調査となれば加算税が課されます。

調査に分類されたとしても、税務署に行って
終わっているわけですから、
「実地の調査以外の調査」に該当するわけです。

このような場合は、再調査の規定から
外れるということに注意が必要です。

なお、この改正は、「前回調査が平成27年4月1日
以後に開始された」ものに適用になりますので、
適用開始時期にも注意してください。

 

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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