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2015.10.09

使用人賞与の損金算入時期

こんにちは。日本中央税理士法人の見田村元宣です。

今回は「使用人賞与の損金算入時期」です。

税理士が黒字の顧問先と期末前に決算ミーティングを行なう場合

使用人に対する決算賞与(未払い計上)の提案をすることがあります。

しかし、「かなりの確率」でその提案は「簡単に否認される節税策」に

なっているのです。

具体的な解説の前に、まずは「使用人賞与の損金算入時期」に関する条文を

みてみましょう。

(法人税法施行令72条の3)

内国法人がその使用人に対して賞与(臨時的な給与(債務の免除による利益

その他の経済的な利益を含む。)のうち、退職給与、他に定期の給与を

受けていない者に対し継続して毎年所定の時期に定額を支給する旨の定めに

基づいて支給されるもの及び法第五十四条第一項(新株予約権を対価とする

費用の帰属事業年度の特例等)に規定する新株予約権によるもの以外のもの

をいい、法第三十四条第五項 (役員給与の損金不算入)に規定する使用人

としての職務を有する役員に対して支給する当該職務に対する賞与を含む。)

を支給する場合には、当該賞与の額について、次の各号に掲げる賞与の区分

に応じ、当該各号に定める事業年度において支給されたものとして、

その内国法人の各事業年度の所得の金額を計算する。

一  労働協約又は就業規則により定められる支給予定日が到来している

賞与(使用人にその支給額の通知がされているもので、かつ、当該支給予定

日又は当該通知をした日の属する事業年度においてその支給額につき

損金経理をしているものに限る。) 

当該支給予定日又は当該通知をした日のいずれか遅い日の属する事業年度

二  次に掲げる要件のすべてを満たす賞与 使用人にその支給額の通知を

した日の属する事業年度

イ その支給額を、各人別に、かつ、同時期に支給を受けるすべての使用人

に対して通知をしていること。

ロ イの通知をした金額を当該通知をしたすべての使用人に対し当該通知を

した日の属する事業年度終了の日の翌日から一月以内に支払つていること。

ハ その支給額につきイの通知をした日の属する事業年度において損金経理

をしていること。

三  前二号に掲げる賞与以外の賞与 当該賞与が支払われた日の属する

事業年度

ここで注目して頂きたいのが「二号」です。

決算賞与の未払い計上をした場合、その期の損金にするためには、

上記イ、ロ、ハの3要件を満たさなければならないことは税理士ならば

誰でもご存じでしょう。

ただし、上記イに関する下記基本通達があることをご存じでしょうか?

9-2-43(支給額の通知)

法人が支給日に在職する使用人のみに賞与を支給することとしている場合の

その支給額の通知は、令第72条の3第2号イの支給額の通知には該当

しないことに留意する。(平10年課法2-7「十」により追加、平19年課法

2-3「二十二」、平22年課法2-1「十八」により改正)

結果として、賞与に関して「支給日在職基準」を設けている会社は

「決算賞与の未払い計上そのものが認められない」という状況に

なっているのです。

これは期末日から支給日までに実際に退職した社員がおらず、

未払い計上した全員に結果として払ったとしても認められません。

なぜならば、実際に払ったかどうかではなく、「支給日に在職する使用人

のみに賞与を支給することとしている場合」が問題だからです。

支給日在職基準があるということは、期末日までに通知したとしても、

支給日に退職していれば、支払われないことになります。

ということは、期末時点で債務確定していないことになるのです。

しかし、税理士が決算賞与の未払い計上を提案している現場では

○ その会社に給与規定があるか?

○ あるならば、賞与に関して、支給日在職基準が設けられているか?

→ 給与規定がある場合、支給日在職基準が付けられていることが大半

ということを確認していません。

これは

○ 給与規定は社会保険労務士が作成している

○ 税理士が通達の存在を知らないため、給与規定を確認していない

という理由により起こるものです。

これが税務調査の現場で否認されたら、「先生が提案したから、未払い計上したのに・・・」

というクレームにもなりかねません。

もし、決算賞与の未払い計上を提案するならば、

○ 給与規定の有無の確認

○ 給与規定の内容の確認、改定の提案

を行なうべきなのです。

ご注意くださいね。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

※『2013年9月の当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。』

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