2015.01.29

使途不明金は認定賞与?

今回のテーマは、『使途不明金は認定賞与?』です。

税務調査で問題にされると一番痛いのが「認定賞与」でしょう。
損金不算入になり、かつ源泉所得税が追加で発生。
しかも認定賞与にされるくらいなので
多くの場合、重加算税が課されるでしょう。

よくありがちな否認指摘は、使途不明金を
認定賞与とされてしまうケースです。

使途不明金は本来、損金性がないことから
損金不算入処理されるだけのはずですが、
調査官は下記に該当すると認定賞与だと指摘します。

①同族会社であること
②代表者が金銭管理を行っていること
③資金使途について合理的な説明がないこと

これは、福岡高裁・昭和52年9月29日において
下記の判決が出たことを根拠にしていると思われます。

「代表者の個人会社ないし同族会社と目される法人の使途不明金は
首肯するに足る合理的な使途の説明がなされない限り、
原則として代表者に対する賞与と推認するを妨げない」

しかし、使途不明金を役員(代表者)が個人的に
受取っていれば話は別ですが、ただ使途不明金というだけで
認定賞与にされるのは明らかにおかしい指摘のです。

東京高裁・昭和56年6月19日では次のように判決が出ています。

「会社が簿外預金から払戻金につき、これを会社代表者個人の
認定賞与と認めるには、右払戻金を会社代表者において
取得した事実、少なくとも同人において取得したと合理的に
推認できる事実について課税庁において主張する必要がある」

またこの訴訟の上告審(最高裁第一小法廷・昭和57年7月1日)
においても、使途不明金を役員が取得したと合理的に
推認できないとして国税側が敗訴しています。

つまり、ただ使途不明金というだけを理由に
認定賞与の指摘は不当であり、認定賞与にするには
役員がその金銭を受け取ることが要件なのです。
(実際の証明が無理でも推認できれば認定されます)

調査官があたかも当り前かのように
「それは認定賞与ですね」と否認指摘した場合、
上記判決を出してきちんと反論してください。

 

※2011年4月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
ご注意ください。

また、ブログの内容等に関する質問は、
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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