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2015.02.12

現金の使途を説明できない=役員賞与ではない

今回のテーマは、「現金の使途を説明できない=役員賞与ではない」です。

今回のブログでは、以前の税務調査研究会や、
http://kachiel.jp/service/circle/
その後の懇親会で私が話したことでいくつか質問が入った
裁決事例を実例を出して説明させていただきます。

税務調査においては、損金計上した役員の個人的な支出=役員賞与、
と認定され(一般的にいう認定賞与)、その支出の損金不算入(=役員賞与)、
源泉所得税の賦課、不納付加算税もしくは重加算税が課されます。

多い例としては、事業に関連のない者との接待交際費や、
自己の用に供する資産(車や服飾品)の購入費用でしょう。

このような事実があった場合、重加算税かどうかは別にして、
役員が法人から経済的利益を享受したことは間違いなく、
認定賞与と指摘されることはしょうがないかと思います。

しかし税務調査の現場では、会社の口座から役員が出金し、
その資金使途を説明できないだけで、「では認定賞与ですね」
と指摘されることが往々にしてあります。

使途不明金が役員の認定賞与と認定されるには、
国税が認定するための基準がなければおかしいのですが、
この辺りは、いつも実務でうやむやにされるところです。

参考になる裁決事例と解説がこちらです。

【使途不明金の役員給与認定で審判所が立証不十分と判断】

http://www.lotus21.co.jp/ta/1106gjwk/404_04.pdf

※こちらは「週刊T&Amaster」第404号の巻頭特集が
 Webでアップされたものをリンクさせていただいております

ここで大事なポイントは、役員が出金を自由に行える立場であって、
その出金のうち使途が明らかでないものである場合は、

「役員が出金したお金を取得し、あるいはその経済的利益を
享受したことが積極的に立証されるかどうか」がポイントです。
(少なくともそれを推認するに足りる事実が立証されれば
上記立証と同じ意味合いを持つことになります)

つまり、このようなケースでは、

①確かに役員が現金を受け取った(=経済的利益の享受)
 事実を明らかにする証拠が必要

または、

②役員の預金が増えている、またはそのお金を使ってしまった
 (=消費支出)の事実を明らかにする証拠が必要

であり、これらの証拠を提示するのは当然のことながら、
税務署の仕事だということです(立証責任=課税庁側にある)。

調査官が何でも認定賞与にしたがる理由は、

・損金不算入にできるから(永久差異)
・源泉を課すことができるから(二重課税)
・重加算税を課すことができるケースが多い
 (個人支出を法人支出に仮装したと認定)

の3つが考えられますが、根拠もなく
ただ納税者側が説明・立証できないだけで
認定賞与だと指摘するケースが後を絶ちません。

調査官が認定賞与だと指摘してきた場合は、
何の根拠・証拠があるのかをきちんと
問いただす必要があるのです。

 

※2011年6月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
ご注意ください。

また、ブログの内容等に関する質問は、
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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