2015.07.13

税務調査は減る

以前、経営者向けに税務調査の講演をしました。
その中でも、調査官の人数は減っているという
話をしてきたところです。

よく質問されるのですが、「今後税務調査の件数は
どうなりますか?」と聞かれれば私はこう答えます。

「ここ数年だけ考えれば、間違いなく減ります」

税務調査の件数が減ると考える理由は、主に

・今年から税務調査の手続きが面倒になった
・国際税務など取引自体は複雑化している
・調査官の人数は減っている

こう考えると、相続税を筆頭に今後申告件数自体は
増えるので、実調率は間違いなく下がります。

長期的に考えても税務調査の件数は減るだろうと
考えられるのが「調査官の人数は減っている」という事実。

先日のプレスでもこう発表されています。

http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2012/yosan_teiin/index.htm

「定員については、887人の新規増員が認められた一方、
定員合理化数が△1,225人であることから、△338人の純減となりました。
これにより、当庁の平成25年度末定員は、55,856人となります。」

実は国税庁も、税制改正で申告書が増えることは
確実なわけですから、1105人の増員を求めていた
ようですが、新規増員は887人しか
認められなかったので結果として純減になりました。

なお2011年3月発表と少し古いのですが、
国税庁の定員・申告件数・実調率などが見ることができます。

http://www.nta.go.jp/kohyo/katsudou/shingi-kenkyu/shingikai/110303/shiryo/pdf/04.pdf

つまり、まとめると状況はこうなります。

①申告書の件数は増える(税制改正など)
②調査官の数は減っている
⇒分子が増えて分母が減るわけですから、
 どう考えても実調率は当面下がるしかない

マクロ的に見るとこうなのですが、もう少し税目ごとに
分割して考えれば物事がリアルに見えてきます。

例えば、相続税は今後間違いなく申告件数が急激に
増えることになります。しかし、申告件数が増えるのは
課税標準(財産金額)が申告ばかりです。

そう考えると、申告件数が増えるといっても
実際には今までと同じように、財産金額が大きい
申告にしか実質的に調査が来ないことが想定できるわけです。

消費税も同じです。消費税率の問題はさておき、
必需品に対して軽減税率の導入などが検討されて、
今後消費税が複雑化することが予想されていますが、
税務調査に来ないから問題にならないのでは?とも思います。
(もちろん消費税の場合は法人と同時に調査ですが)

こう言うと、「税務調査の件数が減るなら久保さんの
仕事も減りますね」と言われそうなのですが、
実はそうならないと考えてもいます。

確かに、税務調査の件数・実調率は減るのでしょうが、
それはマクロ的に見れば、の話です。
税務調査自体がほとんどなくなるという話ではありません。

このメルマガでお伝えしたいのは、税務調査の件数が
減る・実調率が下がる、という予測を知っておけば、
税理士として対応する方法が変わるということです。

税務調査の件数が減るからといって手を抜いて
申告書を作成する税理士はいないでしょうが・・・

少なくとも相続の申告などは
受けるか受けないの判断材料にはなります。
ぜひ参考にしてください。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

2013年2月の当時の記事であり、以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

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