2015.01.28

調査官の守秘義務

今回のテーマは、『調査官の守秘義務』です。

税務調査において、調査官の守秘義務が
問題になるケースが多々起こります。

①反面調査で自社の内容が調査官からバレた

②従業員へのヒアリングで会社の内情が知れた

③借した書類を紛失され情報が漏れる可能性がある

③による場合は論外とはいえ…

①のケースは、反面調査も税務調査とはいえ
秘密が漏れることは法的な違反行為ですし、
②のケースも、従業員の給与額が知られるなど、
税務調査が行われなければ知られることがなかった
秘密が開示になるデメリットは大きいものです。

調査官は国税庁管轄の職員であり、国家公務員にあたりますので、
まず国家公務員法を遵守しなければなりません。
国家公務員には国家公務員法第100条に定める守秘義務が課されています。

国家公務員法第100条(秘密を守る義務)
職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。
その職を退いた後といえども同様とする。
2 法令による証人、鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を
発表するには、所轄庁の長(退職者については、その退職した官職又は
これに相当する官職の所轄庁の長)の許可を要する。
3 前項の許可は、法律又は政令の定める条件及び手続に
係る場合を除いては、これを拒むことができない。

公務員は在職期間のみならず、退職後も守秘義務を負うという意味では、
かなりきつく義務を負っているのです。またこの法令に違反した者
(退職後の公務員も含む)は、国家公務員法第109条において、
1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する旨を定めています。
調査官にはさらに通則法で守秘義務が課せられています。

【国税通則法第126条】
国税に関する調査(不服申立てに係る事件の審理のための調査
及び国税の犯則事件の調査を含む。)若しくは租税条約等の実施に伴う
所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和44年法律第46号)
の規定に基づいて行う情報の提供のための調査に関する事務
又は国税の徴収に関する事務に従事している者又は従事していた者が、
これらの事務に関して知ることのできた秘密を漏らし、
又は盗用したときは、これを2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

これは平成22年の法改正で新設された条文で、
調査官の守秘義務違反(秘密漏洩)に対する罰金刑の上限が100万円
(改正前:30万円)に引き上げられた上、国税通則法に、
国税の調査に関する事務に従事している職員(従事していた職員を含む。)
の守秘義務違反に対する統一的な罰則規定
(2年以下の懲役又は100万円以下の罰金)が設けられ、
改正前の法人税法第163条の規定が承継(削除)されました。

反面調査や従業員への質問により、
会社の秘密が漏れた場合には、上記2法律に
照らして訴えを起こすべきです。

また秘密が漏えいしてからでは遅いのも事実。
これらの法律を知っていることをしっかり調査官に伝え、
反面調査や従業員へのヒアリングを慎重に行うよう
事前に伝えることも重要だといえます。

 

※2011年4月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
ご注意ください。

また、ブログの内容等に関する質問は、
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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