お金の流れが見えない税務調査
≪お金の流れが見えない税務調査≫
税務調査で調査官が見るポイントは2つあります。
1つは当然ながらP/Lを見て、所得計算の確からしさを見る。
そして2つ目は、P/Lが本来の所得からずれている場合、
そのずれたお金がどこにいったのか、
B/Sから見てお金のたまり具合をチェックします。
例えば、A社がB社へ現金で4,000万を渡しました。
当然ながらA社の帳簿上では4000万円の仕訳がなされているわけですが・・・
実際の税務調査で調査官が証拠書類を調べてみると
4000万円の領収書も請求書もないとします。
この場合、実際にはA社がBへこの4,000万円を渡していたとしても、
調査官はA社に対し4,000万円の支払いについて
疑いをかけることになります。
B社への受け渡しの証拠もなく・・・
さらにB社が4,000万円を受け取っていないと主張した場合がさらに大変。
4,000万円の経費性についてはさらに疑わしくなるばかり。
銀行で振込み処理をしていれば、
銀行調査などで証拠をたどることができますが、
現金で受渡しをしてしまった場合は、
本当にお金がどこに行ったかがわからないのです。
A社が「4,000万円はB社へ渡した。
だから会社には4,000万円は残っていなでしょ?」と主張したとしても。
調査官としては
「どうせA社の社長が、会社のお金を取ったんでしょ?」と疑い、
最終的には役員賞与として課税しようとしてきます。
調査官にとって、税務調査で一番大変なことは、
提出されているP/Lが偽物だとわかった場合です。
この場合にはB/Sを見るわけですが、
お金に色はついていませんので、その流れを追いかけるのがとても難しいのです。
このような事態を避けるためには
お金の行き先はきちんと説明できること、
つまり書類等で証拠を残しておくことが大切です。
また無用な現金払いはやめ、できるだけ証拠が残る形で
お金のやり取りをすることが望ましいと言えます。
※2009年6月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
ご注意ください。
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