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2014.10.07

こんなところにも調査官の目が

今回のテーマは『調査官はこんなところも見ています』についてです。

このメルマガでは何度もご紹介してきましたが
調査官は、調査件数のノルマを抱えています。

税務調査を行う上で一番手間がかかるのは情報収集です。
複数の調査を同時期に行うこともあるので、
情報収集だけに時間を割くことはできません。

ですので常にいろいろなことにアンテナを張っています。

税務調査に行く際も単にその会社だけを目的に行くわけではありません。
時には、わざと遠回りをして街中を眺めることもあります。

これは私が某税務署にいた時のことです。
その頃は、よく駐車場に止まっている車の台数を知らべたものです。

まず、駐車場の所有者の不動産登記簿を引き上げてきて
きちんと確定申告がなされているかを調べます。

この地区近隣における駐車場代の相場は、
1万2000円から1万5000円といったところでしょうか。

台数を掛算すれば、月額でいくらの収入があるかおのずとわかります。

こういったこと繰り返していくうちに、
大きな事案に行き着いたのです。

駐車場の所有者である老人は、全くの無申告で
七年を遡ることなんと総額7,000万円を脱税していたのです。

またこんなケースもありました。

15世帯あるマンションに15台分の駐車スペースがありました。
建設する前は15台すべてが使用される見込みでいたのでしょう。

しかし、車を所有していない人もいるのです。
その場合どうするのか?

当然、その駐車スペースを遊ばせておくのはもったいないので
近くの住人に駐車場だけ貸出のです。

そのマンションに住んでいる方の家賃は駐車場代込みとなっていました。

住人以外に貸し出した台数分はマンションの家賃とは全く別の収入です。
しかし、これらの収入を全く申告していませんでした。

不動産関連は調べていくと意外な発見があるものです。

不動産登記ではただの私有地になっているのに、アスファルトで塗装され
実際は十数台が止められる月極め駐車場として利用されており、おまけに
フェンスにはしっかり業者の看板まで取り付けられていることもあります。

表面上はわからないことも調査官の長年の経験が予感をさせるのです。

税務署の行き帰りの途中や移動時間でも
日々、情報収集活動は行われているのです。

 

※2009年12月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
ご注意ください。

また、ブログの内容等に関する質問は、
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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