こんな調査官が一人でやってきたら
税務調査は、多くの場合二人一組で行われます。
この組合わせを見て、その調査にチカラを入れているか判別ができます。
ベテランの調査官が二人組できた場合は、かなり気合が入っています。
何らかの状況証拠は掴んでいる可能性も高いかもしれません。
覚悟をして税務調査に臨まなくてはいけないでしょう。
一方で、ベテラン調査官と新人の組み合わせなら
新人に税務調査に慣れさせる意味合いが強いと思っていいでしょう。
調査先も予めモメ事が起こらないような会社、
協力的な納税者を選んでいることが多いです。
まず成績にはこだわらず、業務上の研修が一番の目的です。
この組み合わせなら、あっさり終わる確率が高いでしょう。
厄介なのは若手調査官が二人、もしくは一人でやってきた場合です。
調査件数に対応するために、調査官が一人のケースも増えてきました。
二人で調査を行うとかえって効率が悪くなることもあるからです。
私も一番最初の調査こそ統括官の下につき現場に行きましたが
その後は、一人で行うことの方が多かったかもしれません。
研修も終わり、調査官として一人立ちする頃になると
いろいろと誤解される行動が増えてくる若手調査官もいます。
言葉使いや態度が悪かったり、税法に対する勉強も不十分だったり、功を焦って
手加減を知らない調査をして、後でトラブルになるケースも少なくありません。
また、一人では何も決断のできない若手調査官も多いのです。
統括官と納税者の間を伝言係のようにいったりきたり。
「上司にこう言われましたので」の一点張りで
こちらのロジックは全く通用しません。
これではなかなか税務調査が終わりません。
もしも新人の調査官一人が担当になってしまった場合は、
統括官や先輩上席を呼んでもらった方が話が早いでしょう。
当然、調査官の誰もが自身の出世がかかっていますので
実績を上げることに必死になります。
しかし、納税者と大きくモメることは得策ではありません。
『納税者に調査内容を充分に理解してもらい指導する』
この能力が低い調査官は、なかなか出世は叶いません。
若さゆえに感情的になり主張を曲げず、更正処分に踏み切れば
自身の主張を論理的、客観的に証明しなければならなくなります。
この書類作成のために日常業務にも大きな支障が生じます。
手痛いしっぺ返しを食らうことになるのです。
大きな時間をロスするよりも、地道に納税者を説得するための
交渉力を身につけた方が、結果的には評価が高くなるものです。
現場にはベテランの調査官が少なくなっているため
貴重な経験が若手に引き継がれてない現実があります。
頭でっかちで強引な若手調査官とは、感情的にぶつかっていけません。
若手で話が通用しない場合は、統括官に訴え出るなど、
税理士が税務署を上手にハンドリングする必要があります。
※2010年6月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
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