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2016.08.04

なぜこの時期に事前通知が!?

※2015年7月の当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

税務調査の状況で、ここ1~2年の間に大きく変わった
ことといえば、6月下旬~7月上旬に
事前通知がくるようになったことでしょう。

以前なら、事前通知は早くても7月中旬~下旬
だったのですが、今は事前通知が早くなり、
7月10日以降の予約を先に入れられます。

国税組織は、毎年7月10日(土日の場合は後ろズレ)
で人事異動がありますので、6月下旬~7月上旬にある
事前通知の段階では、担当調査官が誰なのかわからない、
という現実問題はありますが・・・
(事前通知で「担当調査官は誰かわかりません」とするのは
手続き的に考えてどうなのかな?と正直思います)

この状況を、以前と現在で対比してみましょう。

【以前】
~6月:調査が結了
7月10日:人事異動
7月中旬~:調査先の選定
7月下旬~:随時事前通知

【現在】
~6月:調査が結了
6月下旬~7月上旬:事前通知
7月10日:人事異動
7月11日~:事前通知したものを調査開始
7月中旬~:以降の調査先選定も同時にする
7月下旬~:随時事前通知

なぜ、このような状況になったのかというと、
税務調査の件数を増やすためです。

今までは、6月下旬~7月上旬(異動前)は、
調査官としては何もやることがなくて
相当暇な時期だったわけですが、効率を求めて
先に事前通知を入れておき、担当が変わっても
異動後すぐに調査ができるようにしたわけです。

こうすることで、税務署内で異動の時期に
発生していた時間のロスを少しでも埋めよう、
調査件数を増やそうという施策の意図が見えます。

さて、この変更によって、ある程度パターンが
ズレるということも起こっています。

6月~1月決算法人は本来、税務調査の時期は春
(1~6月)なのですが・・・

調査先としていったん選定されたけれど、
今期の春に調査が行われなかった法人は、
6月下旬~7月上旬に事前通知をして、秋
(7~12月)に調査されることが増えました。
(実際には7~8月中だけかと思いますが)

つまり、決算期と調査時期の原則を外してでも、
国税は調査件数を増やしているということです。

調査件数は、特に通則法改正後大幅に減ったのですが、
手続き改正後の調査官の慣れ、また上述のように
ある程度の効率化をはかることで、また少しずつ
増えていくものと予想されています。

この時期(7月上旬)の事前通知だからといって
何か特別な対応は必要ありません。

むしろ、事前通知した調査官と、調査担当者が
違うことから、税務署の足並みが揃っていない
こともあります。この点は注意してください。

なお、異動前に事前通知を早めているのは
法人調査だけのようですが、今後は個人事業主も
同じような調査時期になるのではないかと思います。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

 

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