ふるさと納税は概算でも要申告
※2018年2月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください
株式会社InspireConsultingの久保憂希也です。
仮想通貨の確定申告に沸く昨今・・・
申告が漏れがちなのが「ふるさと納税」です。
税務調査における私への質問・相談の中でも、
ここ1年でふるさと納税の申告漏れを
指摘された事案が増えています。
この記事をお読みの方に、
「ふるさと納税の受取返戻品は経済的利益で、
一時所得になります」なんて説明は不要ですので、
申告時の問題点だけ指摘しておきましょう。
ふるさと納税を多額にしている方は、
一時所得の申告が必要なのですが、
問題はこの金額算出方法です。
税理士・会計事務所からすれば、
ふるさと納税の金額は把握できますが、
返戻品の内容までは通常知らないでしょう。
納税者の立場にたっても、返戻品の内容が
わかったところで、金券やポイントでも無い限り、
例えば地域の特産品であったりすれば、
その経済的利益の額(時価)はわかりません。
結局のところ、ふるさと納税が多数・多額にあって
申告を要することがわかっていても、
一時所得の金額算出が通常はできないわけです。
(すべてが金券などの場合を除く)
このようなケースでは、ふるさと納税の金額の
「3割」(など)を一時収入として、概算で
申告するしか仕方がないと考えます。
昨年議論を巻き起こしましたが、
現状として総務省は昨年4月の段階で、
「ふるさと納税返礼品3割以下」として
各自治体に通知を出しています。
その後、野田聖子総務相の発言で、
「あくまでも自治体判断に一任」としましたが、
どちらにしても返戻額・率がわからない以上は、
総務省がガイドラインで定める
「3割」基準を用いれば問題ないはずです。
国税側から考えると、
ふるさと納税が多額
⇒
概算でも一時所得が50万円を超える
⇒
しかし一時所得の申告ナシ
⇒
税務調査に入る
となるのは当然の成り行きです。
一方で、3割などの概算であっても、
一時所得の申告さえあれば、
それだけで調査選定されにくいでしょう。
なお、税務調査に入られた際に
ふるさと納税の返戻品に対する一時所得の
金額でモメた場合、あくまでも
国税側に金額の立証責任がありますので、
「金額が相違するというなら、では
国税側がその金額の妥当性を立証してください」
と主張することになります。
金券などならともかく、返戻品という
物の時価を立証するのは、いかに
国税といえど実質的にムリでしょう。
だからこそ、「3割」(など)の率で
申告することが大事なのです。
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