コロナ禍により調査件数は激減!
※2020年12月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社KACHIELの久保憂希也です。
毎年この時期に国税庁から発表されている、
「調査事績の概要」について、つい先日
最新情報が公表されました。
今回のメルマガでは公表内容から、
直近の税務調査の傾向について解説します。
※令和元事務年度=令和元年7月~令和2年6月
まず実地調査の件数ですが、前年対比77.1%
と激減する結果となっています。
国税でいう下期(1~6月)に税務調査を
ほぼ実施できなかったわけですから、
当然の帰結でしょう。
今年10月から税務調査は再開されていますが、
年明けのコロナ感染状況等によっては、
さらに調査件数が下がる可能性もあります。
法人税における税務調査での否認割合は、
57千件÷76千件=約75%
となっており、否認率はほぼ例年通り、
4件に3件という非常に高い水準です。
上記国税の資料でもアピールされていますが、
調査1件あたりの増差所得(法人税)は、
10,230千円(前年:13,965千円)と
かなり下がってはいますが、1件あたりの
不正所得が上がっていることから、
調査1件あたりの追徴税額は微増しています
(平均追徴税額:2,156千円)。
重加算税の賦課率である「不正発見割合」は、
「21.6%」となっており、相変わらず
法人調査の5件に1件超に重加算税が
課されているのが実態です。
今年の公表内容で着目すべきは、
「簡易な接触」の件数は減っていない
どころか、このコロナ禍でも
微増していることでしょう。
今後も実地調査を増やせない国税が
簡易的な接触に切り替えてくる可能性大です。
ここにいう「簡易な接触」とは、
「実地調査以外の手法を用いた接触」
(電話や書面郵送など)により
自主的な修正申告の勧奨(もしくは
期限後申告の提出)を求める行為を
指していますが、提出した修正申告に
加算税が課されるかどうかで、税務署と
モメる要素が多い論点です。
この点は、下記私の記事(過去メルマガ)
を参考にしてください。
なお、個人事業主など所得税に関する
調査事績は、下記をご覧ください。
毎年公表されている調査事績ですが、
これを見るだけで、税務調査のみならず
国税の方向性が見えてきますので、
ぜひ参考にしてください。
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一切受け付けておりませんのでご留意ください。