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2022.08.19

コロナ禍を理由に税務調査を延期できるならいつに設定した方がいいのか?

※2021年9月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社KACHIELの久保憂希也です。

新型コロナの感染拡大にともない、直近でも
緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置の指定地域が
全国的に広がりをみせています。

本来であれば、現在(9月)以降が税務調査の最盛期に
なっているはずですが・・・直近で行われた
事前通知においては、税務署の配慮によって
税務調査の実施時期について「延期にするか?」
が都度確認されているようです。

まず、コロナ禍における税務調査への影響ですが、
調査の実施件数は減っているのは当然のこととしても、
調査の実施【時期】も大幅に変動しているようです。

税務署が実施する税務調査の時期は原則として、

7~12月:上期(秋)
1~6月:下期(春)

に大きく分かれており、

●法人課税部門

2~5月決算法人:上期に税務調査
6~1月決算法人:下期に税務調査

●資産課税部門

相続税:上期に税務調査
譲渡所得・贈与税:下期に税務調査

となっています(あくまでも原則なので、
例外も多くありますが)。

コロナ禍によって、税務署も納税者の事情等を
斟酌しなければなりませんので、調査の延期など
税務調査の実施時期が上記の原則どおりに
ならないのが通例になりつつあります。

これは意見聴取の実施時期も同じで、
本来は11~12月に多く実施される
相続税の意見聴取も、5~6月に持ち越された
ケースが多かったようです。

さて、最近よく聞かれる質問・相談として、
「事前通知の段階で調査官から延期の打診を
受けたのですが、延期するとすれば
いつにすればいいですか?」という内容があります。

※税務調査を延期にせず、あえて今受ける
メリットなどについては、今年3月31日に配信した
「あえてコロナ禍に調査を受けた方がいい理由」
をご覧ください

調査を延期することを前提にするのであれば、
上期・下期の終わりの方である、

・11月もしくは12月
・5月もしくは6月

に設定した方が有利になるケースが多いです。

その理由は、調査官は調査に着手した時期
(上期もしくは下期)の中で調査を終わらせようと
する誘因が強くはたらくからです。

たとえば、9月に着手した調査事案の場合、
上期の終わりである12月(中旬くらい)までに
調査が終わればいいので、調査官が深度ある調査を
実施しようと思えば数ヶ月は対応することができます。

一方で、11月下旬~12月初旬に調査着手した
事案については、実質的に1ヵ月もない中で
調査を終わらせることになりますので、
調査官も当初から早く終わらせることを
念頭において調査を進めることになります。

調査官も絶対的に、上期の着手事案を下期に
繰り越せないわけではありませんが、
調査件数のカウントや評価などは上期と下期に
分かれていることから、できる限り
上期・下期内で終わらせたいのが本音なのです。

このように調査の開始時期を先延ばし・調整できる
立場なのであれば、税務署・調査官の内部事情を
考慮したうえで、上記の時期にあえて
調査を延期にした方が有利になるでしょう。

ぜひ、参考にしてください。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

著者情報

久保憂希也

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