不動産を購入した場合の按分基準の盲点(その5)
※2017年9月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
日本中央税理士法人の見田村元宣です。
今回は「不動産を購入した場合の按分基準の盲点(その5)」ですが、
前回(「不動産を購入した場合の按分基準(その4)」)の問題の回答を致します。
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問題
平成27年に中古の不動産を1,000で購入しました。
平成27年度の土地の固定資産税評価額は600、
建物の固定資産税は400です。
再建築費評点数算出表をベースに計算したところ、
建物の評価額は400、建物附属設備の評価額は100でした。
なお、耐用年数から考えて、建物の減価償却は10パーセントが償却済み、
建物附属設備は30パーセントが償却済みです。
購入した不動産1,000を土地、建物、建物附属設備に按分すると、
どうなりますか?
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解答
1、まず、購入金額を土地と建物に固定資産税評価額で按分
土地:1,000×600/1,000=600
建物:1,000×400/1,000=400
2、次に、1で計算した建物部分を建物と建物附属設備に按分
建物:400×400/500=320
建物附属設備:400×100/500=80
ただし、これは再建築費評点数算出表をベースに計算しているので、
新築当時の推定計算です。
そこで、これに減価償却費を加味した残存簿価を計算します。
建物:320×90%=288
建物附属設備:80×70%=56
残存簿価合計:344
建物:400×288/344=335(1円未満切上げ)
建物附属設備:400×56/344=65
土地:600
建物:335
建物附属設備:65
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みなさんの答えはいかがだったでしょうか?
裁決の事例は実額計算のため、記憶に残りにくいですが、
このように単純な事例に引き直せば、整理しやすいでしょう。
なお、再建築費評点数算出表による計算は市役所等で開示してくれますが、
役所によっては窓口での運用に差があるかもしれません。
また、全ての都道府県において、情報公開条例がありますので、
これを利用して開示を請求することも1つの方法でしょう。
この点も含めて、覚えておいて頂ければと思います。
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