不服申立てができるのか?②
前回のブログ「不服申立てができるのか?①」
から引続き、書きたいと思います。
すでに気付いた方もいるかと思いますが、
「不服申立ての対象等」
http://www.kfs.go.jp/system/object.html
「不服申立ての対象となる処分」の中に、
「更正の請求に対するその一部を認める更又は
更正をすべき理由がない旨の通知」と記載があります。
つまり、更正の請求をして、その全部または一部が
認められなかった場合にも不服申立てできる、
とされているのです。
普通に考えると、更正の請求が認められなかった場合、
何もされないので、処分ではないと思いがちですが・・・
この点、国税不服審判所のサイトには
このように記載されています。
http://www.kfs.go.jp/system/faq/10.html
「この場合、一部を認容する減額更正又は
更正すべき理由がない旨の通知は、いずれも「処分」
に含まれますので不服申立ての対象となります。」
ですから、勘違いされている方が多いのですが、
更正の請求も、申請のとおりに還付されない場合は、
不服申立てすることができるのです。
ただし、更正の申出は「申出のとおりに更正されない
場合であっても、不服申立てをすることはできません」
http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/encho/
では、さらに・・・です。
新たに制定された通達を見てみましょう。
これは、先般制定された「留置き」について、
不服申立てできるのかを定めたものです。
(新設と改正があります)
「「不服審査基本通達(異議申立関係)の制定について」
の一部改正について(法令解釈通達)」
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/igi/kaisei/130329/index.htm
この中で、改正点を一部抜粋しておきます。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/igi/kaisei/130329/pdf/01.pdf
国税に関する法律に基づく処分(基通75-1(5))〔新設〕
国税庁等の当該職員が留め置いた物件について、
当該物件の提出者から返還の求めがあった場合において、
当該職員がこれを拒否したときの当該拒否は、
当該物件の提出者の返還請求権に対する拒否処分であることから
「国税に関する法律に基づく処分」(通法75①)に
該当することを留意的に明らかにする。
留置きに関しては、新設された法律であって、
法律だけを読むと、あたかも税務署(調査官)が
強制的に帳簿書類等を持ち帰ることができる
かのように感じますが、実はそうではないのです。
いったん留置きされた帳簿書類等(物件)に対して
返還請求をして、返還されない場合には、
それだけで不服申立てをすることができます。
この事実を知らない調査官もいるかもしれません。
何せ2013年3月末に開示されたばかりの通達ですから。
調査官が長期間留置きする場合は、
返還請求をして、「返還しないのであれば
不服申立てしますよ!」と主張すべきです。
2013年春の税務調査は、改正されてすぐの調査時期。
税理士が知識武装して、法律・通達違反の
税務調査から身を守らなければなりません。
※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。
2013年4月の当時の記事であり、以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。