事前に期限を決める
税務調査の途中で
税務署が対応してくれなくなった・・・。
例えば、このような相談です。
「税務調査で数日立会いをして、その後、
ある程度の協議を調査官としましたが、
そこから一向に回答がありません。
どのように対応したらいいのでしょうか?」
当初のこのように、税務調査の中で
調査官の対応が遅くなる原因として、
①統括官の決裁を仰いでいる
②審理担当の検討を待っている
③重要審議会(副署長・署長)の決裁を仰いでいる
④反面調査等、裏で調査を進めている
⑤調査官の怠慢等
の5パターンが考えられます。
⑤は論外なのですが、実際の税務調査ではよくあります。
連絡がないので、しびれを切らして税務署に電話してみると、
「ああ、あれは申告是認で終わらせておきました」
などと言われるケースです。処理が終わってるなら
社会の常識として連絡しろよ、と思いますが・・・
①~④は調査官によってみれば
正当な理由と考えられます。
調査官もサラリーマンです。
自分の判断で税務調査を終わらせることはできません。
しかし、①に関しては実は時間がかかりません。
直属の上司である統括官なのですから、
すぐに良いか悪いかを判断できるはずです。
問題なのは、②~④。
特に、④はタチが悪い税務調査です。
まず、税務調査の対応方法として大事なのは、
調査官からの連絡などに期限を決めることです。
例えば、調査官から「否認指摘の項目に関して
税務署内で検討させて欲しい」と言われれば、
「では、1週間後の○○日までに
私(顧問税理士)宛に電話してくださいね」
と期限を決めておくことです。
期限さえ決めておけば、放置されたとしても
調査官が期限を守らなかったのですから
こちらから明確なクレームを出すことができます。
また、留置きの際に大事になるのですが、
資料等の返却期間を定めることです。
留置きは、法律・通達・事務運営指針などで
返却時期を明確に定めていません。
だからこそ、モメないためにも、
返却時期を事前に明確にすることです。
「資料は貸しますが、いったん2週間後までに
返却してもらうということでいいですか?
その後また延びそうであれば言ってください」
と言っておくのです。
税務調査がムダに長引くと、顧問先は
絶対に不満に感じるものです。
また法律的にも、税務調査はいつまでに
終わらなければならないという規定がないため、
長引いてもなかなか文句を言えないのも事実です。
だからこそ、事前に期限を取り決めしておき、
期限を守らなかったときに
「税務署(調査官)側が悪い」と
明確に主張できることが大切になるわけです。
「事前に」期限を決めることをぜひ実践してください。
これだけで税務調査が長引くことを予防することができます。
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2013年4月の当時の記事であり、以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。