• HOME
  •  › ブログ
  •  › 事前通知の調査日数は短くできる
2018.02.22

事前通知の調査日数は短くできる

※2017年8月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社InspireConsultingの久保憂希也です。

私がよく受ける質問に、

「税務調査を早く終わらせる方法ってありますか?」

というものがあります。

どうせ税務調査に入られるのであれば、
税理士はもちろん、顧問先はもっと
税務調査は短い方がいい、と思っているはず。

税務調査を早く終わらせる極意というものは
(私の中で)存在しないのですが、
その前にやるべきことがあるとは考えています。

それは、事前通知の段階で、調査官が提示してきた
日数を、交渉で短くすることです。

これを実践している税理士は結構多くいます。

まず、前提として、調査官が事前通知段階で
指定する調査の日数は、案外適当です。

その法人の規模(売上・従業員数・業種など)から
経験則で自ら判断していることがほとんどで、
統括官などの指示も通常はありません。
調査日数に関して、国税内の規定もありません。

過去の調査履歴が残っていて、それを
事前に確認しているようであれば、
その内容を含めて調査日数を考えています。

一方で、調査官側の立場から考えると、

調査官:「調査は3日間でお願いします」

税理士:「えっ〜さすがに3日間は長いでしょ!?
    2日間で十分じゃないですか?」

と言われても、そもそも調査日数に対して
事前に深く考えての提示ではないでしょうし、
そもそも3日間必要である明確な理由はないので
「まあ、2日間でもいいです」となりがちです。

調査官の提示日数より短くしようと交渉して、
調査官がそれに渋る場合は、

「とりあえず2日間にしてみて、足りなければ
別途追加で調査の日を確保しますよ」

と伝えてください。

これを言われると、調査官としても
「じゃあとりあえず2日だけで」と応じるはずです。

調査日数を短くする交渉で、若干やっかいになるのが
「調査日数が短くなるなら、もう1人調査官を
連れていきます」となるケースです。

こうなってくると、きちんと考えた方がいいです。

○調査官の人数が増えるなら日数を提示通りで

として、あえて受け入れるか

○人数が増えても調査日数が短い方がいい

と考えるかは、顧問先への信頼度も影響します。

基本的に、調査官の人数が多い方が
見る範囲は広くなりますし、非違に気付く確率は
高まると考えて間違いないと思います。

上記では、「3日間を2日間」として書きましたが、
もちろん「2日間と提示されたのを1日にする」
でも同じです。

さすがに1日は・・・と罪悪感など感じる
必要性はまったくありません。
結果として1日で足りなければ、
その後に追加で日数を確保すればいいだけですし、
実際に1日で終わればラッキーです。

なお、事前通知の段階で決めた日数を
追加するのに、手続き・要件はありません。

あくまでも事前通知では「実地の調査を開始する日時」
を通知することになっていますので、
日数を追加するにしても、再度事前通知を
要するわけではありません(税目や調査対象期間の
追加とは違う、ということです)

ぜひ、事前通知段階で調査日数を
短くする交渉を実践してください。


※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

毎週水曜日に配信する『税務調査対策のメールマガジン』では、最新の税務調査事情はもちろんのこと、調査官の心理、税務署のウラ側など元国税調査官だからこそ語れるマニアックなテーマまでをお届けします。
「こんなことまで話して本当に大丈夫ですか?」 と多くの反響を頂く税理士業界では話題のメルマガです。
お名前とメールアドレスを登録するだけで 毎週【 無料 】でメルマガを配信いたします。