事前通知の調査日数は短くできる
※2017年8月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社InspireConsultingの久保憂希也です。
私がよく受ける質問に、
「税務調査を早く終わらせる方法ってありますか?」
というものがあります。
どうせ税務調査に入られるのであれば、
税理士はもちろん、顧問先はもっと
税務調査は短い方がいい、と思っているはず。
税務調査を早く終わらせる極意というものは
(私の中で)存在しないのですが、
その前にやるべきことがあるとは考えています。
それは、事前通知の段階で、調査官が提示してきた
日数を、交渉で短くすることです。
これを実践している税理士は結構多くいます。
まず、前提として、調査官が事前通知段階で
指定する調査の日数は、案外適当です。
その法人の規模(売上・従業員数・業種など)から
経験則で自ら判断していることがほとんどで、
統括官などの指示も通常はありません。
調査日数に関して、国税内の規定もありません。
過去の調査履歴が残っていて、それを
事前に確認しているようであれば、
その内容を含めて調査日数を考えています。
一方で、調査官側の立場から考えると、
調査官:「調査は3日間でお願いします」
税理士:「えっ〜さすがに3日間は長いでしょ!?
2日間で十分じゃないですか?」
と言われても、そもそも調査日数に対して
事前に深く考えての提示ではないでしょうし、
そもそも3日間必要である明確な理由はないので
「まあ、2日間でもいいです」となりがちです。
調査官の提示日数より短くしようと交渉して、
調査官がそれに渋る場合は、
「とりあえず2日間にしてみて、足りなければ
別途追加で調査の日を確保しますよ」
と伝えてください。
これを言われると、調査官としても
「じゃあとりあえず2日だけで」と応じるはずです。
調査日数を短くする交渉で、若干やっかいになるのが
「調査日数が短くなるなら、もう1人調査官を
連れていきます」となるケースです。
こうなってくると、きちんと考えた方がいいです。
○調査官の人数が増えるなら日数を提示通りで
として、あえて受け入れるか
○人数が増えても調査日数が短い方がいい
と考えるかは、顧問先への信頼度も影響します。
基本的に、調査官の人数が多い方が
見る範囲は広くなりますし、非違に気付く確率は
高まると考えて間違いないと思います。
上記では、「3日間を2日間」として書きましたが、
もちろん「2日間と提示されたのを1日にする」
でも同じです。
さすがに1日は・・・と罪悪感など感じる
必要性はまったくありません。
結果として1日で足りなければ、
その後に追加で日数を確保すればいいだけですし、
実際に1日で終わればラッキーです。
なお、事前通知の段階で決めた日数を
追加するのに、手続き・要件はありません。
あくまでも事前通知では「実地の調査を開始する日時」
を通知することになっていますので、
日数を追加するにしても、再度事前通知を
要するわけではありません(税目や調査対象期間の
追加とは違う、ということです)
ぜひ、事前通知段階で調査日数を
短くする交渉を実践してください。
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