事前通知はどう法規定されているのか?
※2021年8月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
株式会社KACHIELの久保憂希也です。
毎週金曜の本メルマガでは、税務調査を体系的に理解する
内容を連載で解説していますが、今回から複数回に分けて
【税務調査の手続き】に関して解説していきます。
今回は税務調査の起点となる「事前通知」です。
まず、事前通知を規定した法律規定を確認します。
なお、一部のカッコ書きを除いて引用します。
国税通則法第74条の9
税務署長等は、国税庁等又は税関の当該職員に
納税義務者に対し実地の調査において第七十四条の二
から第七十四条の六まで(当該職員の質問検査権)の
規定による質問、検査又は提示若しくは提出の要求を
行わせる場合には、あらかじめ、当該納税義務者
(当該納税義務者について税務代理人がある場合には、
当該税務代理人を含む。)に対し、その旨及び
次に掲げる事項を通知するものとする。
この規定から(原則として)実地の調査を行う場合は
事前通知をしなければならないことになります。
※事前通知をしない場合(無予告調査)については
別途のメルマガで解説します
実地の調査を行う場合=事前通知が必要という
手続きですから、実地の調査ではない調査には
事前通知が不要という理解になります。
「調査」と「実地の調査」の違いについては
下記をご覧ください。
また、「調査と実地の調査における手続きの違い」
については、今年6月11日に配信しましたので、
併せて復習していただければと思います。
実地の調査以外の調査で事前通知を要しない
ことについては、下記のFAQにも載っています。
「税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)」
問22
実地の調査以外の調査が行われる場合には、
調査の対象となる税目・課税期間や調査の目的等
についての説明は受けられないのですか。
事前通知の対象となる具体的な項目は、
●国税通則法第74条の9第1項第一号~七号
●国税通則法施行令第30条の4
に規定されていますので、知りたい場合は
条文をご確認ください。
事前通知の相手方は「当該納税義務者」(税務代理人)
とされていますが、納税者に代わって顧問税理士が
事前通知を受けたい場合、税務代理権限証書の
「調査の通知に関する同意」にチェックを入れて
提出すれば、税理士だけに事前通知がされます
(平成26年度税制改正による変更)。
この点は、国税通則法第74条の9第5項・6項
において規定されていますが、実務上の論点を
知りたい方は下記のFAQを参照してください。
また、この税制改正では税理士法も改正されました
ので併せて理解したい場合、税理士法第34条を
ご確認ください。
来週金曜の本メルマガでは、いったん調整した
日程の変更など、事前通知に関して
もう少し掘り下げて解説していきます。
※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。
著者情報